厚生労働省は、労働経済動向調査(2019 年8月)の結果を公表しました。
厚生労働省では、このほど、労働経済動向調査(2019年8月)の結果を取りまとめましたので、公表します。 「労働経済動向調査」は、景気の変動が雇用などに及ぼしている影響や今後の見通しについて調査し、労働経済 の変化や問題点を把握することを目的に、四半期ごとに実施しています。また、今回は特別項目として、「労働者不足 の対処方法」及び「2018年度新規学卒者の採用枠での募集」についても調査しています。 本調査は、2019 年8月1日現在の状況について、主要産業の規模30 人以上の民営事業所のうちから 5,835 事業所 を抽出して調査を行い、2,761事業所(うち有効回答2,728事業所、有効回答率46.8%)から回答を得ています。
(調査結果のポイント)
1 正社員等は「増加見込」とする事業所割合が引き続き多い(2019年7~9月期実績見込)
(1) 生産・売上額等判断D.I. (注1) ・調査産業計 マイナス1ポイント ・主な産業別 「卸売業,小売業」(+11)、「サービス業(他に分類されないもの)」(+7)、「医療,福祉」(+5)でプラス、 「建設業」は0ポイント、「製造業」(△8)ではマイナス
(2) 所定外労働時間判断D.I. (注1) ・調査産業計 マイナス1ポイント ・主な産業別 「卸売業,小売業」(+5)、「医療,福祉」(+4)でプラス、「サービス業(他に分類されないもの)」は0ポイ ント、「製造業」(△9)、「建設業」(△5)ではマイナス
(3) 正社員等雇用判断D.I. (注1) ・調査産業計 プラス4ポイント ・主な産業別 「製造業」(+9)、「サービス業(他に分類されないもの)」(+8)、「建設業」(+7)、「卸売業,小売業」 (+1)でプラス、「医療,福祉」(△1)ではマイナス
2 正社員等、パートタイム労働者ともに、 「不足」とする事業所割合が引き続き多い(2019年8月1日現在)
○ 労働者過不足判断D.I. (注1)
・正社員等労働者(調査産業計)の過不足 プラス40ポイント(33期連続で不足超過)
・パートタイム労働者(調査産業計)の過不足 プラス29ポイント(40期連続で不足超過)
※正社員等労働者、パートタイム労働者ともに全ての産業で不足超過
3 労働者不足の対処方法(※ 調査期ごとに異なる項目)
○ 現在、労働者が不足していて、かつ、過去1年間に何らかの「対処をした」事業所の割合は 70%、今後1年間に 「対処をする予定」の事業所の割合は 66%で、その対処方法(複数回答)は過去1 年間、今後1 年間とも「正社員等 採用・正社員以外から正社員への登用の増加」の割合が最も多い(過去1年間:63%、今後1年間:61%)。
○ 今後1年間の対処方法を昨年同期(2018年8月)の調査と比べると、「在職者の労働条件の改善(賃金以外)」(注2) で上昇幅が最も大きい(昨年同期:24%、今期:34%)。
(注1) 「D.I.(Diffusion Index:ディフュージョン・インデックス)」とは、変化の方向性を表す指標である。 (1) 「生産・売上額等判断D.I.」、「所定外労働時間判断D.I.」、「正社員等雇用判断D.I.」は、当該期(間末)を 前期(間末)と比べて「増加」と回答した事業所の割合から「減少」と回答した事業所の割合を差し引いた値である。 なお、これらの値には季節による変動があるため、季節調整(注3)を行っている。 これらの判断D.I.がプラスであれば、前期(間末)よりも増加させた事業所が多いことを示す。
(2) 「労働者過不足判断D.I.」は、調査時点において、労働者が「不足」と回答した事業所の割合から「過剰」と回答し た事業所の割合を差し引いた値である。 この判断D.I.がプラスであれば、人手不足と感じている事業所が多いことを示す。
(注2) 「在職者の労働条件の改善(賃金以外)」とは、在職者の賃金以外の労働条件の改善(休暇の取得促進、所定労 働時間の削減、育児支援や復帰支援の制度の充実など)をいう。
(注3) 2018年2月調査より、「生産・売上額等」、「所定外労働時間」、「雇用」(正社員等雇用、パートタイム雇用など)の 判断D.I.の季節調整を、従前のセンサス局法X-12-ARIMAの中のX-11デフォルトからX-11オプション SeasonalmaS3×1に変更した。
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