厚生労働省では、昨年11月に実施した「過重労働解消キャンペーン」における重点監督の実施結果について発表しました。
今回の重点監督は、長時間労働削減推進本部(本部長:塩崎 恭久 厚生労働大臣)の指示の下、長時間の過重労働による過労死に関する労災請求のあった事業場や、若者の「使い捨て」が疑われる事業場など、労働基準関係法令の違反が疑われる事業場に対して集中的に実施したものです。その結果、3,718事業場で労働基準関係法令違反を確認したほか、約半数にあたる2 ,311 事業場で違法な時間外労働が認められたため、それらの事業場に対して、是正に向けた指導を行いました。
厚生労働省では今後も、月100時間を超える残業が行われている事業場などに対する監督指導の徹底をはじめ、過重労働の解消に向けた取組を積極的に行っていきます。
重点監督の結果のポイントとして以下のように挙げられています。
1.重点監督の実施事業場: 5,031 事業場
このうち、3,718事業場(全体の73.9%)で労働基準関係法令違反あり。
2.主な違反内容 [ 1 のうち、法令違反があり、是正勧告書を交付した事業場]
(1)違法な時間外労働があったもの: 2,311 事業場( 45.9 % )
うち、時間外労働※1の実績が最も長い労働者の時間数が
月100時間を超えるもの : 799事業場(34.6%)
月150時間を超えるもの: 153事業場( 6.6%)
月200時間を超えるもの: 38事業場( 1.6%)
(2)賃金不払残業があったもの: 509 事業場( 10.1 % )
(3)過重労働による健康障害防止措置が未実施のもの: 675 事業場( 13.4 % )
3.主な健康障害防止に係る指導の状況 [ 1 のうち、健康障害防止のため指導票を交付した事業場]
(1)過重労働による健康障害防止措置が不十分なため改善を指導したもの: 2,977 事業場( 59.2 % )
うち、時間外労働を月80時間※2以内に削減するよう指導したもの:1,772事業場(59.5%)
(2)労働時間の把握方法が不適正なため指導したもの: 1,003 事業場( 19.9 % )
※1 法定労働時間を超える労働のほか、法定休日における労働も含む。
※2 脳・心臓疾患の発症前1か月間におおむね100時間または発症前2か月間ないし6か月間にわたって、1か月当たりおおむね80時間を超える時間外労働が認められる場合は、業務と発症との関連性が強いとの医学的知見があるため。
具体的な監督指導事例については、こちらをご覧ください。
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