政府広報オンラインは、熱中症は予防が大事!熱中症警戒アラートを活用して、十分な対策をとりましょうと題する下記内容を発表しました。
熱中症は気温が高いなどの環境下で、体温調節の機能がうまく働かず、体内に熱がこもってしまうことで起こります。小さな子どもや高齢者、病気の方などは特に熱中症になりやすいため注意が必要です。暑さを避け、水分を摂るなどの「熱中症予防」と、マスク、換気などの「コロナ感染防止」を両立させましょう。
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~熱中症予防5つの心得~
目次
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- 1
- 気温や湿度が高い日は熱中症の発症数が急増
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- 2
- 熱中症は予防が大切
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- 3
- 小さい子どもや高齢者は屋内での熱中症にも注意
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- 4
- 熱中症の症状が現われたら、まずは涼しい場所へ移動
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- 5
- 「暑さ指数」や「熱中症警戒アラート」などを参考に、熱中症への十分な対策を
コラム
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- 1
- ペットの熱中症にもご注意ください!
1気温や湿度が高い日は熱中症の発症数が急増
熱中症は、近年5月から多く発生しています。特に梅雨明けの蒸し暑く、急に暑くなる時期には、体が暑さに慣れていないため、例年熱中症による救急搬送者数や死亡者数が急増しています。
私たちの体は、血管を広げて外気に体内の熱を放射したり、汗をかいて蒸発させたりして体温の急激な上昇を防いでいます。しかし、気温が高いと体内の熱は放散されず、湿度が高いと汗は蒸発しません。
熱中症は、周りの温度に体が対応することができず、体内の水分や塩分(ナトリウムなど)のバランスが崩れ、体温の調節機能がうまく働かないなどが原因で起こります。
日最高気温が30度を超えるあたりから熱中症による死亡者数が増え始め、その後気温が高くなるにしたがって死亡率が急激に上昇します。また、熱中症は、気温が高い場合だけでなく、湿度が高い場合や、風が弱い、日差しが強いなどの環境でも起こりやすくなります。近年、地球温暖化や大都市のヒートアイランド現象により、熱中症の危険性は高まってきています。特に、小さい子ども、高齢者、体調不良の人、肥満の人、ふだんから運動をしていない人などは熱中症になりやすいので注意が必要です。
2熱中症は予防が大切
熱中症は命にかかわる病気ですが、予防法を知っていれば防ぐことができます。熱中症を防ぐためには、「暑さを避ける」「こまめな水分補給」「暑さに備えた体作り」が大切です。一方で、新型コロナウイルスの感染を防ぐために、「エアコン使用中のこまめな換気」、「屋外で近距離(2m以内を目安)で会話をする時のマスクの着用」といった「コロナ感染防止」を実践することも求められています。熱中症を予防するために、次のようなことに気をつけましょう。
(1)暑さを避けましょう
・感染症予防のため、換気扇や窓開放によって換気を確保しつつ、エアコンの温度設定をこまめに調整しましょう。
・外出時は暑い日や暑い時間帯を避け、無理のない範囲で活動を。
・涼しい服装を心がけ、外に出る際は日傘や帽子を活用しましょう。
・少しでも体調に異変を感じたら、涼しい場所に移動し、水分を補給する。
(2)適宜マスクをはずしましょう
・気温・湿度の高い中でマスクをすると熱中症のリスクが高くなるため注意が必要です。
・屋外では、近距離(2m以内を目安)で会話をする時以外は、マスクをはずしましょう。
・屋内では、人との距離(2m以上を目安)が確保できて、会話をほとんど行わない場合は、マスクを着用する必要はありません。
・マスクを着用しているときは、負荷のかかる作業や運動を避け、適宜マスクをはずして休憩を。
(3)こまめに水分を補給しましょう
・のどが渇く前に、こまめに水分を補給する(目安は1日あたり1.2リットル)。
・たくさん汗をかいたときは、スポーツドリンクや塩あめなどで水分とともに塩分も補給。
(4)日ごろから健康管理をしましょう
・日ごろから体温測定や健康チェックをしましょう。
・体調が悪いと感じたときは、無理せず自宅で静養を。
(5)暑さに備えた体づくりをする
・暑くなり始めの時期から、適度に運動を。
・水分補給は忘れずに、無理のない範囲で行いましょう。
・「やや暑い環境」で「ややきつい」と感じる強度で毎日30分程度行い、身体が暑さに慣れるようにしましょう。
熱中症の発生には、その日の体調が影響します。前の晩に深酒をしたり、朝食を抜いたりした状態で暑い環境に行くのは避けましょう。
風邪などで発熱している人や下痢などで脱水症状(※)の人、小さい子どもや高齢者、肥満の人、心肺機能や腎機能が低下している人などは熱中症を起こしやすいので、暑い場所での運動や作業を考慮する必要があります。
※脱水症状とは、発熱や下痢・おう吐、運動などによる激しい発汗などにより、体内の水分や塩分が大量に失われた状態のことです。脱水症状になると、頭痛やめまい、倦怠感などの症状が現れ、重症になると意識を失うこともあります。
3小さい子どもや高齢者は屋内での熱中症にも注意
熱中症は屋内でも起こります。小さい子どもや高齢者、病人がいる家庭では、冷房の使用を我慢しすぎないで、適切にエアコンを利用しましょう。
小さい子どもは、汗腺をはじめとした体温調節機能が十分に発達していないため、気温が皮膚温よりも高くなったときに、深部体温が上昇し、熱中症を起こしやすくなります。
また、気温が高い日などに散歩をする場合、身長が低い子どもは、地表面からの熱の影響を受けやすく、大人よりも熱中症になりやすいので、特別な注意が必要です。子どもの顔が赤かったり、ひどく汗をかいたりしているときには、深部体温がかなり上昇していると推察されますので、涼しい場所で十分に休ませましょう。子どもが熱中症にならないように、ふだんから、風通しのよい涼しい衣服を着せ、水をこまめに飲ませるようにしましょう。
高齢者は、暑さを感じにくい上に体温調節機能の大切な役割を果たしている発汗と血液循環が低下し、暑さに対する抵抗力も少なくなっています。また、のどの渇きを強く感じないため、水分不足になりがちで、気づかないうちに熱中症を起こしてしまう場合もあります。熱中症にならないために、のどが渇いていなくても、早め早めに水分補給をしましょう。
4熱中症の症状が現われたら、まずは涼しい場所へ移動
では、具体的に、熱中症になるとどのような症状が現れるのでしょうか。日本救急医学会(熱中症に関する委員会)では、熱中症の症状を、重症度によってI度からIII度までの三つに区分することを推奨しています。熱中症は急速に症状が進行し、重症化しますので、軽症の段階で早めに異常に気づき、応急処置をすることが重要です。
分類 | 重症度 | 主な症状 |
---|---|---|
I度 | 軽症 現場での応急処置が可能 |
めまい・失神、筋肉痛・筋肉の硬直(こむら返り)、大量の発汗 |
II度 | 中等症 病院への搬送が必要 |
頭痛・気分の不快・吐き気・おう吐 力が入らない、体がぐったりする(熱疲労、熱疲弊) |
III度 | 重症 入院・集中治療の必要 |
意識がなくなる、けいれん、歩けない、刺激への反応がおかしい、高体温(熱射病) |
熱中症が疑われる人を見かけたときは
- すぐに風通しのいい日陰やクーラーなどが効いている室内など涼しい場所へ移す
- 衣服をゆるめたり、体に水をかけたり、またぬれタオルをあてて扇いだりするなどして、体から熱を放散させ冷やす
- 冷たい水を与え、たくさん汗をかいた場合は、スポーツドリンクや塩あめなどにより、塩分も補給する
- 自分の力で水分の摂取ができない場合や、意識障害が見られる場合は、症状が重くなっているため、すぐに病院に搬送する
5「暑さ指数」や「熱中症警戒アラート」などを参考に、熱中症への十分な対策を
環境省熱中症予防情報サイト
環境省では熱中症を未然に防止するため、 環境省熱中症予防情報サイトにおいて、熱中症へのかかりやすさを示す「暑さ指数(WBGT)」の情報提供を行っています。暑さ指数とは、気温だけでなく、湿度、日射などからの熱についても取り入れた指標で、労働環境や運動環境の指針としてISOなどで規格化されているものです。同サイトにおいては、全国約840地点において、当日、翌日、翌々日の3時間毎の暑さ指数の予報値及び現在の暑さ指数の値を情報提供しており、その値によって、「危険」「厳重警戒」「警戒」「注意」「ほぼ安全」という5段階に分けることで、熱中症の注意喚起を行っています。これらの情報も活用し、暑さから身を守りましょう。さらに、同サイトの暑さ指数の情報を、民間のメール配信サービス(無料)でお知らせしていますのでご活用ください。詳細な情報については環境省「熱中症予防情報サイト」でも紹介しています。
熱中症警戒アラート
さらに、環境省と気象庁では、暑さ指数(WBGT)に基づき、熱中症の危険性が極めて高いと予測される場合に、暑さへの「気づき」を呼びかけ国民の熱中症予防行動を効果的に促す「熱中症警戒アラート」について、令和3年から全国で運用をしています。暑さ指数の予測値が都道府県内のどこかで33以上になる場合に、前日17時頃及び当日5時に対象都道府県等に対して気象庁と環境省より発表されます。
熱中症警戒アラートが発表されている日には、外出を控える、エアコンを使用する等の、適切な熱中症予防行動を積極的にとりましょう。
ペットの熱中症にもご注意ください!
犬や猫などのペットも、熱中症になる危険があります。全身が毛におおわれている犬や猫は、体温調節のための汗腺が足の裏などにしかなく、暑さが苦手です。そのため、高温の環境におかれると熱中症になりやすく、症状が重くなった場合は死に至ることもあります。
飼い主のかたはペットが熱中症にならないように、次のようなことに注意してください。
外出、散歩のときは
気温が高い時間帯の散歩を避ける、短時間にするなど工夫しましょう。
夕方になって涼しく感じても、道路の表面温度はまだ高いことがあります。地面から近いところを歩くペットは熱にさらされる危険があります。道路の表面を触って温度を確かめてから散歩に出かけましょう。
また、外出先でもこまめに水を飲ませるよう心がけましょう。
室内では
冷房を入れたり、風通しをよくしたりして、室内が暑くならないようにしましょう。また、ペットがいつでも自由に水を飲んだり、涼しい場所を選んで室内を移動したりできるようにしておきましょう。
車に乗せるとき
飼い主が自動車を降りるときに、ペットを車内に残したままにすると、ペットが熱中症になる危険があります。特に気温が高い日は、冷房が効いていない車内はわずかな時間でも非常に高温になります。
少しの時間でも、車内にペットを残して自動車を離れないようにしてください。
ペットの熱中症の症状や対処方法などについての詳しい情報は、下記のウェブサイトをご覧ください。
・環境省ホームページ「ペットを車内に残さないで!」[PDF]
・日本気象協会推進「熱中症ゼロへ」公式サイト こんな人は特に注意!「犬や猫を飼っている人」
(取材協力:環境省、気象庁 文責:政府広報オンライン)
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