政府広報オンラインは、知ってる?守ってる?自転車利用の交通ルールについて、下記内容を発表しました。
自転車は幼児から高齢者まで幅広い世代が利用する便利な乗り物です。しかし、ルールを無視した危険な運転による交通事故も発生しています。ここでは、自転車を安全に利用するために皆さんに守っていただきたいルールをご紹介します。
目次
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- 1
- ここが危ない!自転車の交通事故~自転車関連事故の特徴~
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- 2
- 守ろう!自転車安全利用五則
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- 3
- こんな運転もやめましょう
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- 4
- 交通事故への備えも大切!
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- 5
- 危険な違反行為を繰り返したときは
動画
自転車は車のなかま~子供から大人まで安全運転5つのルール【字幕付】
(3分00秒)
道路交通法では自転車は「車両」です。ルールを守らず事故を起こせば、加害者となり、自転車の運転者も責任を問われます。また、事故によって運転者自身も大きな怪我をしてしまうこともあります。加害者にも被害者にもならないために、安全運転5つのルールを紹介します。【字幕付】
ナレーション:貫地谷しほり
1ここが危ない!自転車の交通事故~自転車関連事故の特徴~
自転車の交通事故は、全交通事故の約2割
警察庁の統計によると、令和4年(2022年)中の自転車が第1当事者または第2当事者となった交通事故(自転車関連事故)は69,985件で前年より291件増加しました。自転車関連事故の件数は減少傾向にありますが、全交通事故に占める割合は、約20%前後で横ばい傾向が続いており、令和4年(2022年)は構成比が前年よりも増加しました。
自転車関連事故件数の推移
資料:警察庁
- 事故で亡くなった人の約8割、けがをした人の約6割がルール違反
- 警察庁の統計によると、令和4年(2022年)中における自転車乗用中の交通事故による死者の78.0%、負傷者の63.6%は、自転車側にも何らかの法令違反が認められています。
- 約8割が自動車との事故。その半分以上が出会い頭衝突による交通事故
令和4年(2022年)中における自転車関連事故の77.2%が自動車との交通事故で、そのうち53.0%が出会い頭衝突による交通事故です。全ての交通事故における出会い頭衝突によるものの割合が25.3%であることと比較すると、非常に多くなっています。
自転車関連事故の相手当事者別件数
合計:69,985件
「自転車対自動車」事故の類型別事故件数
合計:54,047件
資料:警察庁
自転車と歩行者の交通事故と自転車単独事故について
自転車と歩行者の交通事故は、平成29年(2017年)以降増加傾向となっており、令和2年(2020年)は減少しましたが、令和3年(2021年)には再び増加しました。自転車単独事故については、平成29年(2017年)から増加が続いています。
自転車関連事故の相手当事者別件数(指数)の推移
資料:警察庁
2守ろう!自転車安全利用五則
その1 自転車は「車道が原則、左側を通行/歩道は例外、歩行者を優先」
自転車は車道が原則
道路交通法上、自転車は「車両」と位置付けられていますので、歩道と車道の区別があるところでは車道を通行するのが原則です。
【罰則】違反した場合、3月以下の懲役または5万円以下の罰金
車道は左側を通行
自転車の右側通行は禁止されています
自転車は、車道の左側に寄って通行しなければなりません。右側通行は禁止されています。 また、自転車が通行することができる路側帯は道路の左側部分に設けられたものに限られます。右側通行は、左側通行をしている他の自転車やバイクなどと衝突したり、すれ違うときに車道中央に飛び出して自動車とぶつかったりする危険もありますので、絶対にやめてください。道路を安全に通行するために、左側通行を守りましょう。
【罰則】違反した場合、3月以下の懲役または5万円以下の罰金
歩道は例外
自転車は車道の左側を通行するのが原則ですが、例外として、次のような場合は、自転車(普通自転車に限る※1)が歩道を通行できることになっています。
(1)道路標識や道路標示で指定された場合
(2)運転者が13歳未満のこども、70歳以上の高齢者、身体の不自由なかたの場合
(3)車道や交通の状況からみてもやむを得ない場合(※2)
※1:普通自転車とは、車体の大きさや構造が一定の基準に適合する自転車で、他の車両をけん引していないものをいい、一般に使用されている多くの自転車が該当します。
※2:やむを得ない場合
→道路工事、連続駐車などで車道の左側部分が通行困難な場合
→著しく自動車などの交通量が多く、かつ、車道の幅が狭いなどのため、接触事故の危険がある場合
自転車道があるときは
自転車道が設けられている道路では、道路工事などやむを得ない場合を除き、自転車道を通行しなければなりません。
歩道は歩行者優先で、車道寄りを徐行
歩道は歩行者優先です。自転車が歩道を通行するときは、車道寄りの部分を徐行(すぐに止まれる速度で通行すること)しなければなりません。また、歩行者の通行を妨げるような場合は、一時停止しなければなりません。
自転車のベルを鳴らして歩行者に道を空けさせたり、スピードを落とさずに歩行者を追い越したりするのはルール違反です。自転車側が、歩行者にけがをさせてしまう危険もあります。歩行者に配慮したやさしい運転を心がけましょう。
【罰則】違反した場合、2万円以下の罰金または科料
保護者のかたへ
13歳未満のこどもは歩道を自転車で通行することができますが、13歳未満のこどもが乗車する自転車でも歩道では歩行者優先です。こどもにしっかりと教えてあげてください。
その2 交差点では信号と一時停止を守って、安全確認
信号を守る
信号は必ず守りましょう。「歩行者・自転車専用」信号機がある場合は、その信号に従い、安全を確認して横断しましょう。
【罰則】違反した場合、3月以下の懲役または5万円以下の罰金等
「止まれ」の標識がある場所では、必ず一時停止しましょう。「止まれ」の標識がなくても、見通しの悪い交差点では、必ず徐行し、左右をよく見て、安全に通行しましょう。また、見通しのよい交差点でも、安全のため速度を落としましょう。
【罰則】違反した場合、3月以下の懲役または5万円以下の罰金等
その3 夜間はライトを点灯
夜間、自転車で道路を走るときは、前照灯及び尾灯(または反射器材)をつけなければなりません。ライトをつけるのは、自分が進む道を照らして見やすくするためだけでなく、前方や後方から来るほかの自動車やバイクなどに自分の存在を目立たせるためです。ライトをつけていない自転車は、相手側から発見されにくく危険ですので、ライトを点灯させましょう。
【罰則】違反した場合、5万円以下の罰金
その4 飲酒運転は禁止
自転車も飲酒運転は禁止されています。酒気を帯びて自転車を運転してはいけません。また、酒気を帯びて自転車を運転するおそれがある者に自転車を提供したり、酒類を提供したりしてはいけません。
【罰則】違反した場合、5年以下の懲役または100万円以下の罰金(酒酔い運転を行った場合等)等
その5 ヘルメットを着用
全ての世代で乗車用ヘルメットを着用しよう。
平成30年(2018年)~令和4年(2022年)の5年間における自転車乗用中の乗車用ヘルメット着用状況別の致死率(死傷者数のうち死者の占める割合)を比較したところ、非着用時の致死率は着用時に比べて約2.1倍高くなっています。
令和5年4月1日からは、全ての自転車利用者に対して、乗車用ヘルメットの着用が努力義務になります。
ヘルメット着用状況別の致死率
資料:警察庁
自転車乗用中の死者のうち、頭部が致命傷となったかたの割合は約6割となっています。自転車を利用する全てのかたは乗車用ヘルメットを着用するようにしてください。
ヘルメットは正しく着用を
ヘルメットを選ぶ際は、実際にかぶり、頭のサイズに合ったものを選んでください。
頭部を守るためには、ヘルメットを正しく着用することが重要です。眉毛のすぐ上まで深くかぶり、あごひもをしっかり締めましょう。
交通事故の被害を軽減するために、頭部を守りましょう。
3こんな運転もやめましょう
自転車安全利用五則は、自転車に乗るときに守るべきルールのうち、特に重要なものを取り上げていますが、自転車については、このほかにも様々な交通ルールがあります。
次のような運転も、重大な交通事故につながりうる危険な行為です。絶対にしないでください。
スマートフォン・携帯電話を使いながらの運転
スマートフォン・携帯電話を操作しながらの運転は、片手運転でふらつきやすいうえ、周囲を見ていないため、事故に遭ったり、歩行者にぶつかってけがをさせたりするおそれがあります。
【罰則】違反した場合、3月以下の懲役又は5万円以下の罰金等
傘さし運転
傘差し運転はバランスを崩しやすくする原因となるほか、傘によって前方の視界が遮られ、前方不確認となるおそれがあります。
【罰則】違反した場合、3月以下の懲役又は5万円以下の罰金等
イヤホンやヘッドホンで音楽などを聴きながらの運転
イヤホンで音楽を聴きながらの運転は、音楽に気をとられて注意散漫になったり、後ろから近づいてくる自動車の音が聞こえなかったりして、事故に遭う危険性が高まります。
「道路交通法」には、自転車でのイヤホン使用を直接禁止する規定はありませんが、多くの都道府県の規則で、自転車でのイヤホン使用等を禁止することが定められています。
二人乗りは禁止
自転車は基本的に一人用の乗り物です。自転車の二人乗りは、こどもを幼児用座席に乗せるなどの場合を除いて、原則として禁止されています。
【罰則】違反した場合、5万円以下の罰金等
並進は禁止
「並進可」の標識があるところ以外では、並んで走ってはいけません。道路を自転車が並んで走ると、どちらかの自転車が車道の中央寄りを走ることになり、危険です。また、道路に広がるため、他の通行の妨げにもなります。
【罰則】違反した場合、2万円以下の罰金または科料
4交通事故への備えも大切!
損害賠償責任保険等に加入しましょう。
自転車による交通事故でも、自転車の運転者に多額の損害賠償が生じるおそれがあります。過去の事故事例では、事故を起こした自転車運転者やその家族に数千万円の損害賠償を求める裁判例もあります。万が一に備えて損害賠償責任保険等に加入するようにしましょう。 また、自分の家族に自転車利用者がいる場合は、保険に加入しているか家庭で確認するようにしてください。
5危険な違反行為を繰り返したときは
平成27年6月1日から、交通の危険を生じさせるおそれのある一定の違反行為(危険行為)を繰り返す自転車運転者に対して、「自転車運転者講習」の受講が義務づけられています。
危険行為とは、信号無視や一時不停止、酒酔い運転、ブレーキが利かない自転車の運転など、下記の15項目です。これらの違反行為を3年以内に2回以上検挙された場合には、都道府県公安委員会により、自転車運転者講習の受講が命じられます。命令を無視し、自転車運転者講習を受けなかった場合は、5万円以下の罰金が科されます。
危険行為とは
- 信号無視
- 通行禁止違反
- 歩行者用道路における車両の義務違反(徐行違反)
- 通行区分違反
- 路側帯通行時の歩行者の通行妨害
- 遮断踏切立入り
- 交差点安全進行義務違反等
- 交差点優先車妨害
- 環状交差点安全進行義務違反等
- 指定場所一時不停止等
- 歩道通行時の通行方法違反
- 制動装置(ブレーキ)不良自転車運転
- 酒酔い運転
- 安全運転義務違反
- 妨害運転
(取材協力:警察庁 文責:政府広報オンライン)
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