経済産業省は、令和5年度大学発ベンチャー実態等調査の結果を取りまとめました(速報)について、下記内容を発表しました。
経済産業省は、「令和5年度大学発ベンチャー実態等調査」の結果(速報)を取りまとめました。2023年10月時点での大学発ベンチャー数は4,288社と、2022年度に確認された3,782社から506社増加し、企業数及び増加数ともに過去最高を記録しました。今年度は、私立大学のベンチャー数の躍進も見られました。
1.目的・背景
大学発ベンチャーは、大学等における革新的な研究成果をもとに、経済社会にイノベーションをもたらす担い手として期待されています。本調査は、大学発ベンチャーの設立状況を定点観測するとともに、事業環境やニーズ等を調査し、その成長に寄与する要因等を分析することで、今後の政策展開に活用するため実施しています。
2.調査の結果概要
大学発ベンチャー数の推移
2023年度調査において存在が確認された大学発ベンチャーは4,288社でした。2022年度に確認された3,782社から506社増加し、企業数及び増加数ともに過去最高を更新しました。
本調査では、下記の6つのうち1つ以上に当てはまるベンチャー企業を「大学発ベンチャー」と定義している。
- 研究成果ベンチャー:大学で達成された研究成果に基づく特許や新たな技術・ビジネス手 法を事業化する目的で新規に設立されたベンチャー。
- 共同研究ベンチャー:創業者の持つ技術やノウハウを事業化するために、設立5年以内に大学と共同研究等を行ったベンチャー。(設立時点では大学と特段の関係がなかったものも含む)
- 技術移転ベンチャー:既存事業を維持・発展させるため、設立5年以内に大学から技術移転等を受けたベンチャー。(設立時点では大学と特段の関係がなかったものも含む)
- 学生ベンチャー:大学と深い関連のある学生ベンチャー。現役の学生が関係する(した)もののみが対象。
- 教職員等ベンチャー:大学と深い関連のある教職員等(教職員・研究職員・ポスドク)ベンチャー。
- 関連ベンチャー:大学からの出資がある等その他、大学と深い関連のあるベンチャー。
大学別大学発ベンチャー数
大学別の大学発ベンチャー数では引き続き東京大学が最も多く、また大阪大学の増加に加え、慶應義塾大学、東京理科大学、立命館大学などの私立大学の躍進が目立つ結果となりました。ほか多くの大学でベンチャー創出に力を入れていることがうかがえます。
順位(前年度) | 大学名 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | 2023年度と 前年度との差 |
---|---|---|---|---|---|
1(1) | 東京大学 | 329 | 370 | 420 | +50 |
2(3) | 慶應義塾大学 | 175 | 236 | 291 | +55 |
3(2) | 京都大学 | 242 | 264 | 273 | +9 |
4(5) | 大阪大学 | 180 | 191 | 252 | +61 |
5(4) | 筑波大学 | 178 | 217 | 236 | +19 |
6(6) | 東北大学 | 157 | 179 | 199 | +20 |
7(7) | 東京理科大学 | 126 | 151 | 191 | +40 |
8(9) | 早稲田大学 | 100 | 128 | 145 | +17 |
9(8) | 名古屋大学 | 115 | 137 | 143 | +6 |
10(12) | 立命館大学 | 87 | 110 | 135 | +25 |
大学発ベンチャーにおける経営人材に関する分析
大学発ベンチャーにおける経営人材(CEO)が経営人材(CEO)となる前の最終経歴は、「大学・公的研究機関の教職員・研究者」が多く、アカデミア出身者が経営人材(CEO)となるケースが多いことがうかがえます。
大学発ベンチャーにおける博士号取得者の活躍状況に関する分析
大学発ベンチャーの従業員総数に占める博士号取得者の在籍割合は、大学発ベンチャーの定義別に見ると、特に技術移転ベンチャーや教職員等ベンチャーにおいて高くなっています。また、大学発ベンチャー全体においても一般企業研究職に比べて在籍割合が高いことから、大学発ベンチャーでは博士号取得者が積極的に活用されていることがうかがえます。
※ 大学発ベンチャーにおける「総数」は正社員数と非正規社員数の和。
※ 一般企業研究職については、「2023年(令和5年)科学技術研究調査結果」(総務省統計局)を基に作成。
3.その他
詳細をまとめた報告書は、2024年5月下旬を目途にこちら(経済産業省HP)で公表しますので御覧ください。
関連リンク
担当
産業技術環境局 大学連携推進室長 川上
担当者:橋詰、堀
電話:03-3501-1511(内線 3371)
メール:bzl-sangakurenkei★meti.go.jp
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