出入国在留管理庁は、育成就労制度・特定技能制度Q&Aを掲載しました。
制度目的と施行時期
Q2 育成就労制度の創設と特定技能制度の改正がスタートするのはいつですか?
Q3 育成就労制度に関する主務省令はいつ公表されるのですか?
育成就労の基本事項
Q4 技能実習生を受け入れていますが、育成就労に制度が改正されても受入れを続けることはできますか?
Q5 技能実習制度では企業単独型と団体監理型の2種類がありますが、育成就労制度でも変わりませんか?
Q6 技能実習制度で外国の子会社等から研修目的などの受入れを行っていますが、今後はどうなりますか?
Q11 育成就労外国人がどの分野で働くことができるのかが決まるのはいつですか?
Q12 育成就労制度では、どこの国からでも外国人を受け入れることができますか?
Q13 育成就労制度で外国人を受け入れるための手続は、技能実習制度と変わりませんか?
監理支援機関
Q16 育成就労制度の監理支援機関は、技能実習制度の監理団体と何が違いますか?
Q17 監理支援機関の許可の申請は、いつからすることができますか?
Q18 技能実習制度の監理団体は、育成就労制度でもそのまま監理支援機関になることができますか?
Q19 技能実習制度にある監理団体の優良要件は、育成就労制度でもありますか?
Q20 施行日後にも技能実習生の受入れを行う際に、施行日後に監理団体の許可の有効期限が切れてしまう場合にはどうなりますか?
受入れ機関
育成就労外国人の地位関連
技能実習生の今後
Q26 元技能実習生が再度来日して育成就労制度で働くことはできますか?
Q27 育成就労制度がスタートした時に既に来日している技能実習生はどうなりますか?
特定技能制度の見直し
Q28 特定技能制度は何が変わりますか?
Q29 現在、登録支援機関の登録を受けていない機関に支援の一部を委託していますが、どうすればよいですか?
特定技能制度と育成就労制度
答え
- Q1 今回の法改正は、何のために行われたのですか?
- 近年、我が国の人手不足が深刻化している一方で、国際的な人材獲得競争も激化しています。また、これまでの技能実習制度では、制度目的と実態のかい離や外国人の権利保護などの課題が指摘されていました。人手不足への対応の一つとして外国人の受入れも欠かせない状況にある中、外国人にとって魅力ある制度を構築することで、我が国が外国人から「選ばれる国」となり、我が国の産業を支える人材を適切に確保することが重要です。
そこで、今回の法改正は、技能実習制度を発展的に解消して人材育成と人材確保を目的とする育成就労制度を創設し、これまで技能実習制度において指摘されてきた課題を解消するとともに、育成就労制度と特定技能制度に連続性を持たせることで、外国人が我が国で就労しながらキャリアアップできる分かりやすい制度を構築し、長期にわたり我が国の産業を支える人材を確保することを目指すものです。
- Q2 育成就労制度の創設と特定技能制度の改正がスタートするのはいつですか?
- 育成就労制度と改正後の特定技能制度は、改正法の公布日(令和6年6月21日)から起算して3年以内に施行されることとなりますが、施行日は現時点では未定です。施行日が決まりましたら、ホームページ等でお知らせします。
- Q3 育成就労制度に関する主務省令はいつ公表されるのですか?
- 主務省令の公表時期は、現時点では未定です。施行までに十分な準備期間を確保した上で、制度利用者の皆様が育成就労制度を十分に理解して円滑に利用できるよう、速やかに検討を進めてまいります。
- Q4 技能実習生を受け入れていますが、育成就労に制度が改正されても受入れを続けることはできますか?
- 育成就労制度での受入れを行うには、育成就労外国人を受け入れる産業分野が「育成就労産業分野」(特定産業分野(生産性向上や国内人材確保を行ってもなお外国人の受入れが必要な分野)のうち就労を通じて技能を修得させることが相当なもの)として設定されていることが必要です。また、育成就労産業分野の設定は、それぞれの分野を所管する省庁を中心に検討が進められることとなりますが、スケジュール等の詳細についてはおってお知らせします。
なお、施行日に我が国に在留する技能実習生については、一定の範囲内で引き続き技能実習を行うことができますが、詳細はQ7やQ27を御覧ください。
- Q5 技能実習制度では企業単独型と団体監理型の2種類がありますが、育成就労制度でも変わりませんか?
- 育成就労制度においても、技能実習制度の受入れ形態を踏まえて、外国の支店や子会社の社員等を育成就労外国人として受け入れる「単独型育成就労」と、監理支援機関が関与する「監理型育成就労」の2つの区分を設けています。技能実習制度における企業単独型技能実習と育成就労制度における単独型育成就労では、Q6のとおり、受け入れられる外国人の範囲に違いがありますので、御注意ください。
- Q6 技能実習制度で外国の子会社等から研修目的などの受入れを行っていますが、今後はどうなりますか?
- 技能実習制度において、外国の支店や子会社の社員等を、研修等のために比較的短期間、企業単独型の1号技能実習で受け入れているようなものについては、制度見直し後は、一定の要件の下、新たに創設される在留資格「企業内転勤2号」により受け入れることを想定しています。また、外国の支店や子会社の社員等を受け入れる場合で原則3年間の就労を通じた人材育成という育成就労制度の趣旨に沿うものについては、受入れ機関(育成就労実施者)が監理支援機関による監理支援を受けない、「単独型育成就労」の形態での受入れが可能です。なお、技能実習制度では外国の取引先企業の社員等についても企業単独型の形態で受け入れることを可能としていましたが、育成就労制度においては、取引先企業の社員等の受入れについては、「単独型育成就労」の形態での受入れは認めず、「監理型育成就労」の形態で受け入れることとなります。
- Q7 技能実習生の受入れはいつまでできますか?
- 外国から技能実習生を受け入れる場合、改正法の施行日までに技能実習計画の認定の申請がなされ、原則として施行日から起算して3か月を経過するまでに技能実習を開始するものまでが対象となります。なお、制度の移行に当たって、技能実習計画の認定申請に関する詳細については、今後お知らせします。
また、施行日時点で既に受け入れている技能実習生については、引き続き認定計画に基づいて技能実習を続けることができますが、詳細はQ27を御覧ください。
- Q8 育成就労制度は、技能実習制度と何が違いますか?
- 技能実習制度が我が国での技能等の修得等を通じた人材育成により国際貢献を行うことを目的とする制度であるのに対し、育成就労制度は、我が国の人手不足分野における人材育成と人材確保を目的とする制度であり、制度の目的が異なります。
そして、このような制度目的の違いを踏まえ、育成就労制度では、外国人を労働者としてより適切に権利保護するという観点から、技能実習制度では認められなかった外国人本人の意向による転籍を一定の条件の下で認めることに加え、受入れ対象分野を特定産業分野(生産性向上や国内人材確保を行ってもなお外国人の受入れが必要な分野)のうち就労を通じて技能を修得させることが相当なものに限り、原則3年間の就労を通じた人材育成によって特定技能1号の技能水準の人材を育成することを目指すものとしています。
- Q9 育成就労制度は、特定技能制度と何が違いますか?
- 育成就労制度と特定技能制度は、深刻な人手不足に対応するための制度である点では共通していますが、特定技能制度で受け入れられる外国人が、一定の専門性や技能を有し「即戦力となる人材」を想定しているのに対し、育成就労制度で受け入れられる外国人は、入国時点ではそのような専門性や技能は求められないという点で異なります。
また、育成就労制度は原則3年、特定技能1号は5年を上限とする在留が可能であり、特定技能2号については在留可能な期間の上限はありません。
加えて、育成就労制度では、育成就労計画の認定制度や監理支援機関の許可制度など適正な育成就労の実施に係る仕組みや、外国人が送出機関に支払う手数料が不当に高額とならないようにするための仕組みの導入など育成就労外国人の保護に係る仕組みが設けられています。一方で、特定技能制度には、特定技能所属機関に支援義務が課されています。
- Q10育成就労で外国人は何年働くことができますか?
- 育成就労制度を利用する外国人については、原則3年間の就労を通じた人材育成を行うこととなります。
なお、3年を経過した場合であっても、特定技能1号への移行に必要な技能・日本語能力に係る試験に不合格となったときには、最長1年の範囲内で、一定の在留継続を認めることができる方針としています。
- Q11育成就労外国人がどの分野で働くことができるのかが決まるのはいつですか?
- 育成就労制度の受入れ対象分野である育成就労産業分野については、施行日(改正法の公布日(令和6年6月21日)から起算して3年以内)までの間に、有識者や労使団体等で構成する新たな会議体の意見を聴いて決定されることとなります。これらの手続については、それぞれの分野を所管する省庁を中心に検討が進められることとなりますが、スケジュール等の詳細についてはおってお知らせします。
- Q12育成就労制度では、どこの国からでも外国人を受け入れることができますか?
- 育成就労制度では、悪質な送出機関の排除に向けた取組を強化するために、原則として、二国間取決め(協力覚書(MOC))を作成した国からのみ受入れを行うことを想定しています。詳細については、ホームページ等でお知らせします。
- Q13育成就労制度で外国人を受け入れるための手続は、技能実習制度と変わりませんか?
- 育成就労計画(技能実習計画)の認定手続といった基本的な流れは変わりません。ただし、技能実習制度では1~3号の各段階で計画の認定が必要ですが、育成就労制度では、当初から3年間の計画を作成し認定を受けることとなります。
- Q14育成就労制度では、例えば、「夏は農業、冬は漁業」のように、外国人が複数の分野で働くことはできますか?
- 育成就労制度では、人材育成の一貫性を確保する観点から、例えば「農業」と「漁業」のように分野をまたいで働くことはできません。
- Q15派遣の形態で育成就労を実施することはできますか?
- 季節性のある分野(農業や漁業の分野を想定)において、派遣元と派遣先が共同で育成就労計画を作成し、その認定を受けることで、派遣の形態での育成就労を実施することができます。なお、育成就労計画の認定を受ける際は、あらかじめ派遣先ごとに派遣時期を定めて育成就労計画を作成する必要があります。
- Q16育成就労制度の監理支援機関は、技能実習制度の監理団体と何が違いますか?
- 監理支援機関は監理団体と同様に、主務大臣の許可を受けた上で、国際的なマッチング、受入れ機関(育成就労実施者)に対する監理・指導、育成就労外国人の支援・保護等を行うことになります。その上で、育成就労制度では、これらの機能をより適切に果たすことができるよう、監理・支援・保護機能を強化する方向で許可の要件を見直す(注)こととしています。
また、育成就労制度では、新たに外国人本人の意向による転籍が可能となりますが、転籍を希望する申出があった際、監理支援機関は、関係機関との連絡調整等の役割を担うことになります。
(注)具体的には、以下のような要件を新たに設ける方針ですが、詳細は今後検討してまいります。
・受入れ機関と密接な関係を有する役職員の監理への関与を制限する
・外務監査人の設置を義務付ける
・受入れ機関数に応じた職員の配置を義務付ける
- Q17監理支援機関の許可の申請は、いつからすることができますか?
- 育成就労外国人の受入れを円滑に行えるよう、制度の施行前にあらかじめ申請を受け付ける予定ですが、具体的な申請開始日は、現時点では未定です。決まり次第ホームページ等でお知らせします。
- Q18技能実習制度の監理団体は、育成就労制度でもそのまま監理支援機関になることができますか?
- 監理団体が監理支援機関として育成就労制度に関わる業務を行うためには、新たに監理支援機関の許可を受ける必要があります。
- Q19技能実習制度にある監理団体の優良要件は、育成就労制度でもありますか?
- 育成就労制度においても、監理支援機関にとってより良い監理支援のインセンティブとなるよう、優良な監理支援機関に対して、手続の簡素化等の優遇措置を設けることを予定しています。優良要件や優遇措置の具体的な内容については、今後主務省令等において具体化していく予定です。
- Q20施行日後にも技能実習生の受入れを行う際に、施行日後に監理団体の許可の有効期限が切れてしまう場合にはどうなりますか?
- 施行日(改正法の公布日(令和6年6月21日)から起算して3年以内)後に引き続き技能実習生を受け入れている場合には、施行日後においても、監理団体の許可の有効期間の更新が必要となりますが、育成就労制度の監理支援機関の許可を受けている場合には、技能実習制度における一般監理事業に係る許可を受けたものとみなされますので、別途監理団体の許可の有効期間を更新する必要はありません。
- Q21技能実習制度にある受入れ機関(実習実施者)の優良要件は、育成就労制度でもありますか?
- 育成就労制度においても、受入れ機関にとってより良い受入れのインセンティブとなるよう、優良な受入れ機関に対して、手続の簡素化等の優遇措置を設けることを予定しています。優良要件や優遇措置の具体的な内容については、今後主務省令等において具体化していく予定です。
- Q22育成就労制度の創設に伴って、受入れ機関(育成就労実施者)の要件はどのようなものになりますか?
- 育成就労制度の創設に伴う受入れ機関の要件の変更点の概要は次のとおりです。
育成就労制度も、技能実習制度と同じく人材育成を目的とする観点から、受入れ機関ごとの受入れ人数枠を含む育成・支援体制等の要件については、適正化して維持する方向です。
次に、人材確保を目的とした上で、特定技能制度との連続性を持たせる観点から、特定技能制度と同じく、受入れ対象分野別の協議会への加入等の要件を新たに設ける予定です。
また、制度目的を改める観点から、前職要件や帰国後の業務従事要件等の国際貢献に由来するものは廃止する予定です。
- Q23育成就労外国人は、どのような要件を満たせば転籍ができますか?
- 育成就労制度においては、パワハラや暴力などの人権侵害を受けた場合等「やむを得ない事情」がある場合の転籍を認めるほか、一定の要件の下、本人の意向による転籍も認めることとしています。
当該一定の要件としては、(1)転籍先の育成就労実施者の下で従事する業務が転籍元の育成就労実施者の下で従事していた業務と同一の業務区分であること
(2)転籍元の育成就労実施者の下で業務に従事していた期間が、育成就労産業分野ごとに1年以上2年以下の範囲内で定められる所定の期間を超えていること
(3)育成就労外国人の技能及び日本語能力が一定水準以上であること
(4)転籍先の育成就労実施者が適切と認められる一定の要件に適合していることなどがあり、その詳細については、今後主務省令等において具体化していく予定です。
- Q24育成就労制度では、家族の帯同はできますか?
- 原則として、家族の帯同を認めないこととしています。
- Q25外国人に関して入国時に必要な技能や日本語能力の要件はありますか?
- 技能に係る要件はありませんが、日本語能力に係る要件として、就労開始前に、日本語能力A1相当以上の試験(日本語能力試験N5等)の合格又はこれに相当する認定日本語教育機関等による日本語講習の受講が求められます。
なお、必要となる日本語能力レベルについては、技能実習制度における取扱いを踏まえ、育成就労産業分野ごとに、より高い水準とすることも可能とする予定です。
- Q26元技能実習生が再度来日して育成就労制度で働くことはできますか?
- 過去に技能実習を行った期間は育成就労を行った期間とみなされ、2年以上の技能実習を行った外国人が再度来日して育成就労制度で働くことは基本的にできません。ただし、技能実習を行った職種・作業に対応する育成就労の受入れ対象分野がない場合など、一定の場合には育成就労で働くことを認めることを予定していますが、その詳細については、今後主務省令で定めることとなります。
- Q27育成就労制度がスタートした時に既に来日している技能実習生はどうなりますか?
- 改正法の施行日(改正法の公布日(令和6年6月21日)から起算して3年以内)に既に来日している技能実習生(注)については、引き続き認定計画に基づいて技能実習を続けることができます。
技能実習1号で在留する技能実習生は、技能実習計画の認定を受けた上で、技能実習2号へも移行することができますが、技能実習3号への移行については、施行日時点に技能実習2号で在留している方のうち、一定の範囲のものに限ることとしており、その詳細は、今後主務省令で定める予定です。
(注)Q7の対象者も含みます。
- Q28特定技能制度は何が変わりますか?
- 1号特定技能外国人の支援業務の委託先を登録支援機関に限定し、登録支援機関や受入れ機関について、要件を厳格化・適正化することを予定しています。また、外国人育成就労機構が、育成就労外国人だけでなく1号特定技能外国人への相談援助業務も行うこととしています。
- Q29現在、登録支援機関の登録を受けていない機関に支援の一部を委託していますが、どうすればよいですか?
- 今回の改正法により、1号特定技能外国人の支援業務の委託先を登録支援機関に限定することとしているため、改正法の施行後は登録支援機関に支援を委託するか受入れ機関自らが支援業務を行う必要があります。
なお、経過措置として、改正法が施行された際に登録支援機関以外の機関に1号特定技能外国人の支援を委託している場合であっても、当該支援に係る1号特定技能外国人が改正法の施行後、最初に在留期間の更新申請を行うまでの間は、引き続き従前の委託先に支援を委託していても差し支えありません。ただし、当該更新の申請をする際には、登録支援機関に支援を委託しなければなりません。
- Q30育成就労から特定技能1号に移行する際の要件は、現行の技能実習から移行する場合と変わりませんか?
- 現行の特定技能制度では、技能実習2号良好修了者であれば、技能実習から特定技能1号への移行に際して、技能に係る試験及び日本語能力に係る試験の合格を免除するものとしていますが、育成就労制度では、技能に係る試験(技能検定試験3級等又は特定技能1号評価試験)及び日本語能力に係る試験(日本語能力A2相当以上の試験(日本語能力試験N4等))の合格を特定技能1号への移行の要件とする方針です。
なお、特定技能1号への移行に必要な技能・日本語能力に係る試験に不合格となった場合には、最長1年の範囲内で、一定の在留継続を認めることができる方針としています。
- Q31育成就労の途中で、特定技能1号に移行することはできますか?
- 特定技能への移行要件(技能や日本語能力に係る試験の合格)を満たすことに加え、現に在籍している育成就労の受入れ機関における就労期間が一定の期間を超えている場合に限り、特定技能1号への移行を認める方針です。
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