本日は、「雇止めで起こりやすい3つのトラブル」について、ご説明致します。
有期契約の従業員について、「契約期間が終わるから更新しない」という判断は一見シンプルに思えます。
しかし実際には、雇止めが不当とされ、トラブルになるケースが多くあります。
ここでは特に相談が多い3つの場面を、わかりやすく解説します。
1.問題社員の雇止め
勤務態度が悪い、能力が不足しているなどの理由で更新しないケースはよくあります。
ただし、次のような状況では「実質的な解雇」とみなされ、無効になる可能性があります。
〇トラブルになりやすい理由
・注意や指導の記録が残っていない
口頭注意だけだと「改善の機会を与えていない」と判断されやすいです。
・長期間にわたり更新を続けてきた
「次も更新されるはず」という期待が認められやすくなります。
・契約書に更新基準が書かれていない
基準が曖昧だと、会社の判断が説明しにくくなります。
〇企業がやるべきこと
・注意・指導・評価の記録を残す
・更新基準を明確にして説明する
・更新しない理由を客観的に整理する
2.休職者の雇止め
病気やメンタル不調で休職している従業員について、「働けないのだから更新しない」と判断するケースがあります。
しかし、休職中であることだけを理由に雇止めするのは非常にリスクが高いです。
〇トラブルになりやすい理由
・休職中の雇止めは、解雇と同じ扱いになりやすい
・更新しない合理的な理由が必要
例:復帰の見込みが乏しい、配置転換ができない等
・休職制度の対象が曖昧で、説明が不十分
〇企業がやるべきこと
・契約社員にも休職制度の適用範囲を明確にする
・更新判断は「復帰の可能性」「配置の可能性」など客観的な要素で行う
・医師の意見書や面談記録を残す
3.定年退職後の雇止め(再雇用)
定年後に再雇用する場合、多くは有期契約になります。
しかしここでも、雇止めをめぐるトラブルは少なくありません。
〇トラブルになりやすい理由
・毎年更新を続け、実質的に常用雇用のようになっている
・更新基準が不明確で、突然の雇止めと受け取られる
・高年齢者雇用安定法の趣旨(65歳までの雇用確保)との整合性が問われる
〇企業がやるべきこと
・再雇用の更新基準や評価方法を明確にする
・毎年の面談で「更新の可否」や「今後の見通し」を説明する
・体力や業務量に応じて配置転換も検討する
まとめ
雇止めは「契約が終わるから大丈夫」というものではありません。
特に、
・問題社員
・休職者
・定年後再雇用者
はトラブルが起きやすい典型的なケースです。
契約書・更新基準・指導記録・面談記録を整えることが、企業を守る大きなポイントです。
雇止めは、実質的に「解雇と同じ慎重さ」が求められることを意識して対応することが重要です。

