「行方不明の間に支払われた老齢年金の返却」

ある時、旅行先で夫が行方不明になり、その後死亡が確認された妻から、遺族年金について相談を受けました。
ご主人が行方不明になった当時、家族(息子)ともに警察に捜索を依頼して探しましたが、結局見つからなかったとのことでした。
1年半程経過した頃、警察より連絡が入り、夫の遺体が見つかったとのことで確認に行きました。散歩をしていた近所の人が見つけたそうです。既にミイラ化しており、当初は身元が分かりませんが、歯の治療(インプラント)をしていたことから、夫と確認されたとのことです。
今回のご相談は、当初、夫の死亡による遺族年金請求についてのご相談でしたが、夫が受給していた約1年半分の老齢年金をまず国に返却しなければならないことが、判明したのです。
その際、一括で返却するか、分割で返却するか選択できますが、その相談者は、最終的に一括で返却することを選択されました。
その理由は、自分も高齢なため、夫のようにいつ死亡するかわからず、その場合に夫の年金のことで更に家族に余計な負担をかけたくないと考えたからでした。
年金は、支給されるものと考えていますが、返却することの大変さを改めて知る相談事案です。

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