企業の市場を形成する力と、その意識調査結果について 市場形成力指標Ver2.0を策定しました(経済産業省)

経済産業省は、企業の市場を形成する力と、その意識調査結果について 市場形成力指標Ver2.0を策定しましたとして、下記内容を発表しました。

経済産業省では、企業がルール形成(規制、規格、ガイドラインなど)に取り組み、新しい市場を創出するといった「ルール形成型の市場創出」を後押ししています。
そうした中、ルール形成に取り組む企業の現状を把握するため、「社会課題解決型の企業活動に関する意識調査」を実施しました。これにより、具体的な取組や人材・体制の不足などが明らかになりました。調査結果を更に分析すると、ルール形成に取り組んでいる企業の年平均成長率は、日本企業の平均よりも大きく上回っています。
このたび、意識調査の結果も踏まえ、「市場形成力指標Ver.2.0」を策定し、企業としての市場を形成する力を「見える化」することを目指します。

1. 意識調査の実施概要

(1) 調査期間

令和3年11月15日から12月20日

(2) 調査対象

令和3年10月末時点での日本国内上場企業、
および従業員50人以上の非上場企業

(3) 対象企業数

10,000社

(4) 回答企業数

1,045社(うち、上場企業565社)

(5) 主な調査内容

  • 事業を通じて注力する社会課題が特定されているか。
  • ルール形成により新たな市場を創造する構想や計画が存在しているか。
  • 市場形成の構想や計画を、経営者が社内外に発信しているか。
  • ルール形成型の市場創出の現状や、その実行体制・人材に関する状況。

2.意識調査の結果概要

回答企業の約7割が、「ビジネスを通じて、カーボンニュートラルやSDGsを始めとする社会課題の解決を目指している」、と回答しました。一方でこうした新市場を創出する手段として、ルール形成が十分に用いられていないことが、意識調査の結果から明らかになりました。
具体的には、「経営計画等において、ルール形成により新たな市場を創造する構想を盛り込んでいる」と回答した企業は上場企業で3割弱に留まります。
さらに「過去10年以内に、新たな市場創造を目的としたルール形成を行った実績がある」企業も、上場企業で2割強となりました。
このことは、2019年版ものづくり白書で示された「多くの日本企業はルールメイキングを苦手としている」こととも、おおむね符合する結果となりました。

また、こうした状況を体制・人材面から見た場合、例えば、「ISO/IEC等の規格策定や標準化に関する知見を有する人材を、自社内に確保できている」企業は、3割を下回っており、その育成や評価の仕組みが整っていない、との回答も得られました。

   

3.意識調査を受けた考察

この意識調査における、「新たな市場創出を目的としてルール形成に取り組んでいる」という趣旨の回答に着目し、そうした企業の成長率について分析を行いました。
具体的には、意識調査結果において、特に取組が進んでいると思われる上位37社について、コロナ前10年間(2009年度~2019年度)の売上高から、年平均成長率(CAGR)を求めたところ、CAGR平均は約4%でした。これは同期間の日本企業におけるCAGR平均約0.8%を大きく上回っています。
ルール形成に取り組むことで市場創出を目指してきた企業は、企業成長の実現度が高いことが、数値から見てとれます。

4.市場形成力指標Ver2.0

令和3年度は、市場形成力指標Ver1.0(※)を再構成した上で、意識調査の結果を踏まえつつ、「市場形成力指標Ver2.0(企業版/プロジェクト版)」を開発しました。

  • 組織としての市場形成力を可視化する「企業版」
  • 特定のプロジェクトに関する市場形成力を可視化する「プロジェクト版」
  • ルール形成型の市場創出を企業で実践していただくための「ガイダンス」

Ver.2.0の特徴は、プロジェクト単位の指標だけでなく、企業単位での指標を開発したこと、実践に向けたガイダンスを作成したこと、にあります。

市場形成力指標の使い方としては、調査票に回答することで、自ら点数を把握する方式になります。企業自身の組織能力やプロジェクトが、市場形成において、どのような強みや弱みを持っているか、見える化することが可能となります。

(※) 市場を創り、ビジネスを通じて社会課題を解決するために、企業が持つべき能力を「市場形成力」と定義し、学識経験者や投資家などの有識者にも協力を得た上で、令和3年4月にその具体的な内容を指標として取りまとめた「市場形成力指標」第一弾(Ver.1.0)を公表しました。企業において、(1)事業戦略の中にルール形成戦略が組み込まれ、(2)その戦略に基づく、国際標準化活動を含む一連のルール形成活動を通じて、市場を創出してビジネスにつなげる、といった(1)(2)の考え方と行動の定着を目指しています。

5.今後に向けて

経済産業省では、今回の意識調査の結果を踏まえ、先進的な取組をされている企業の個別事例を確認し、「市場形成力指標」の改良等を検討します。
また、ルール形成型の市場創出を実践する企業が、様々なステークホルダーからポジティブに評価されるよう、「市場形成力指標」を活用した外部評価機能について、検討を進めます。
同時に、標準化等に関する実務を担う人材や体制の不足、といった状況を踏まえ、ルール形成を担う人材育成について、支援の仕組みを検討します。

関連資料

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担当

産業技術環境局 基準認証政策課長
(併任)基準認証戦略室長 大東
担当者:井上、小山

電話:03-3501-1511(内線 3413~5)
03-3501-9232(直通)
03-3580-1418(FAX)

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