中小企業でもウェルビーイングを向上させる方法などはあるのでしょうか?(経済産業省・中小企業庁)

経済産業省・中小企業庁は、中小企業でもウェルビーイングを向上させる方法などはあるのでしょうか?と題して、下記内容を発表しました。

ウェルビーイング経営が生産性の向上や人材の確保に有効だと聞きました。中小企業でもウェルビーイングを向上させる方法などはあるのでしょうか?

回答

「ウェルビーイング経営」により、従業員、経営者、顧客といった自社に関わるすべての人の心と体、社会的関係を良好に保つことを目指しながら事業活動を行うと、従業員は自発的に生産性を高める行動をとるようになります。中小企業が取り組む際は、会社の存在意義と経営理念を明確にした上で、従業員にも働く目的を考えてもらい、会社と個人の目標をなるべく近づけるような機会を持つことから始めてみるといいでしょう。

ウェルビーイング経営により、生産性や創造性が高まる

改めて、「ウェルビーイング」とは、心と体、社会的関係(人間関係)のすべてが良好な状態であることを指します。そして、企業におけるあらゆるステークホルダーをこのような状態に近づけようという考えの下で事業活動を行うことを「ウェルビーイング経営」といいます。

昨今、持続可能な社会を目指す世界的な流れと、少子高齢化を原因としたさまざまな社会課題が広がっている国内事情などを背景に、利益偏重の行き過ぎた資本主義や、成長と経済活動を前提とした社会のあり方に対して懐疑的な見方が広がっています。その結果、個性や自らの希望を尊重して自分らしく働くこと、仕事観や働きがいに改めて目を向けることの重要性が高まり、こうしたことの実現を目指すウェルビーイング経営に注目が集まっています。

ウェルビーイング経営に取り組むことで、従業員や経営者の心身の健康が保たれると、職場の雰囲気や風土がよくなり、顧客や地域社会との関係性の向上も期待できます。すると従業員のモチベーションも高まって自ら生産性を高める行動をとるのと同時に、心理的安定性が担保された職場環境が各自の創造性の面でもプラスに作用します。つまり、幸福度の高い従業員が多いほど、企業全体の生産性や創造性も高まるため、業績にも好影響が期待できるわけです。こうしたことは「主観的幸福度」の研究においても証明されています。さらに、幸福度の高い従業員が多ければ、当然、人材獲得の面でも有利に働くでしょう。将来的な企業の成長や発展を考える上でも、ウェルビーイングへの取り組みは有益といえます。

ウェルビーイングへの取り組みを進める6つのステップ

ウェルビーイング経営に取り組む際の一般的なステップは、以下1〜6が考えられます。

  1. 自社のウェルビーイングの現状をできるだけ客観的に把握する
  2. 自社が何を大切にし、何を目指すのかを、経営者と従業員が互いに納得するまで話し合って明確にする
  3. 2で明らかになった自社の目的の達成のため、経営者、従業員それぞれに何ができるか、何をしたいかを話し合う
  4. 従業員自身が自分は何をするのかを決め、具体的な取り組みに落とし込む
  5. 経営者や管理者は、4で従業員が決めた取り組みを把握し、それを尊重する
  6. 定期的に会社と従業員それぞれの目指すところを確認しつつ取り組みを進める

例えば1の現状把握に関しては、パーソル総合研究所が無料で提供する「はたらく人の幸せ/不幸せ診断」などのオンライン診断ツールもあります。こうしたツールを活用することは、社内のウェルビーイングの現状を把握するだけでなく、取り組みをスタートさせるきっかけづくりとしても有効でしょう。

このほか、自社のウェルビーイングの状況把握、あるいは課題解決に向けて、活用できる施策の一例を下図に挙げました。これ以外にも多種多様な方法が考えられます。上記3や4のステップを検討する上では、こうした具体的な取り組みのインプットも役立つでしょう。また、ウェルビーイング経営を会社の発展につなげている事例も多数ありますから、会社の規模感や課題などに共通項のある企業の事例を参考にすれば、自社にとって最適な取り組みを検討しやすくなるかもしれません。

「ウェルビーイング経営」に向けた取り組み例

経営のど真ん中に置き、長期的な視点で効果を図る覚悟を

ウェルビーイング経営への取り組みをスタートさせて、前述したような効果が実感できるレベルになるまでには相当の時間を要します。その間には、ウェルビーイングへの取り組みと企業の短期的な利益が対立したり、他の何かを犠牲にしたりする可能性もあり、きっと多くの人が疑心暗鬼になることでしょう。そうした時にブレずに取り組みを進めていくためにも、ウェルビーイング経営の実践は、経営のど真ん中に据えることが重要になります。

そしてもう一つ、経営者自身がウェルビーイングであることも、取り組みを進めていく上での大きな推進力になります。だからといって経営者が取り組みを従業員に押し付けてしまうのはNGです。あくまで自分はどうありたいか、そのために何をすべきかを考えることが前提にありますので、経営者はその気づきをサポートする役割に徹しましょう。

このように、従業員・経営者双方にとって、ウェルビーイング経営への取り組みのハードルは低くありません。経営者を中心に全従業員が「わが社、私にとってウェルビーイングとは何か」をよく考え、その答えを明確にした上で、各自が自信を持って取り組みましょう。その上で、新しいことへのチャレンジを恐れず、目先の成果ではなく長期的な視野で取り組みのゴールを見つめながら、確実にできることからコツコツと実践していけば、気づいた時には大きな成果が出ているはずです。

回答者
一般社団法人埼玉県中小企業診断協会「SDMウェルビーイング経営研究会」

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