東京都は、令和6年東京都基準地価格の概要について、下記内容を発表しました。
国土利用計画法に基づく令和6年7月1日時点の東京都の基準地価格については、都内1,288地点の選定基準地の調査を行い、各地点の価格を令和6年9月18日付で公表する。
用途区分ごとの地点数は、住宅地773地点、商業地479地点、工業地19地点、宅地見込地6地点、林地11地点である。
地区の分類及び地点数の配分は、次の内訳のとおりである。
[区部]
- 都心5区
千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区(5区:170地点) - その他区
文京区、台東区、墨田区、江東区、品川区、目黒区、大田区、世田谷区、中野区、杉並区、豊島区、北区、荒川区、板橋区、練馬区、足立区、葛飾区、江戸川区(18区:559地点)
[多摩地区]
- 北多摩地区
立川市、武蔵野市、三鷹市、府中市、昭島市、調布市、小金井市、小平市、東村山市、国分寺市、国立市、狛江市、東大和市、清瀬市、東久留米市、武蔵村山市、西東京市(17市:249地点) - 南多摩地区
八王子市、町田市、日野市、多摩市、稲城市(5市:205地点) - 西多摩地区
青梅市、福生市、羽村市、あきる野市、瑞穂町、日の出町、檜原村、奥多摩町(4市3町1村:77地点)
[島部]
- 大島町、新島村、神津島村、三宅村、八丈町、小笠原村(2町4村:28地点)
1 令和6年基準地価格の動向
(1)全域的な動向
東京都全域でみた場合、住宅地、商業地、工業地及び宅地見込地の計(以下「全用途」という。)における対前年平均変動率(以下地点ごとの対前年変動率を「変動率」といい、地区・用途等の区分ごとに算出した対前年平均変動率を「平均変動率」という。)は、12年連続でプラスとなった。用途別では、住宅地の平均変動率は12年連続でプラス、商業地は3年連続でプラスとなった。
また、令和5年は、区部719地点、多摩地区466地点、島部0地点の計1,185地点で価格が上昇したが、令和6年は、1,205地点で価格が上昇した。地区別の内訳は、区部が721地点中全721地点、多摩地区が528地点中484地点、島部が28地点中0地点で、用途別の内訳は、住宅地が765地点中718地点、商業地が477地点中467地点、工業地が18地点中全18地点、宅地見込地は6地点中2地点、林地は11地点中0地点である(本年新規設定及び選定替した地点を各母数から除く)。
前年から価格が下落した地点は、令和5年は23地点(区部0地点、多摩地区22地点、島部1地点)だったが、令和6年は16地点(区部0地点、多摩地区14地点、島部2地点)となった。
前年から価格変動がない(0.0%)の地点は、令和5年は64地点(区部2地点、多摩地区37地点、島部25地点)だったが、令和6年は56地点(区部0地点、多摩地区30地点、島部26地点)となった。
地区別・用途別対前年平均変動率
(単位:%)
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(2)住宅地の動向
区部では、令和5年は全351地点で価格が上昇したが、令和6年においても全347地点で価格が上昇した。
多摩地区では、令和5年は355地点で価格が上昇したが、令和6年においては371地点で価格が上昇した。また、令和5年は13地点で価格が下落したが、令和6年においては5地点で価格が下落した。
区部
- 区部全域の平均変動率は6.7%となった。令和5年の4.2%から上昇幅が拡大した。全23区で平均変動率がプラスとなった。
- 平均変動率が最も高かったのは中央区の12.4%(前年4.4%)で、渋谷区の10.2%、目黒区の9.6%がこれに続いている。
- 地区別の平均変動率は、都心5区9.6%、その他区6.3%で、ともに令和5年と比較して上昇幅が拡大した。
多摩地区
- 多摩地区全域の平均変動率は3.0%となった。26市2町で平均変動率がプラスとなり、1町1村が0.0%だった。
- 平均変動率が最も高かったのは国立市の6.2%(前年4.4%)で、調布市の5.6%、府中市の5.5%がこれに続いている。
- 平均変動率が0.0%となったのは、檜原村、奥多摩町だった。
(3)商業地の動向
区部では、令和5年は千代田区の2地点で0.0%だったが、令和6年は区部全363地点で価格が上昇した。
多摩地区においては0.0%だった奥多摩町の2地点を除く104地点で価格が上昇した。
区部
- 区部全域の平均変動率は9.7%となった。令和5年の5.1%から上昇幅が拡大した。全23区で平均変動率がプラスとなった。
- 平均変動率が最も高かったのは渋谷区の13.1%(前年4.5%)で、台東区の12.5%、文京区の11.7%がこれに続いている。
- 地区別の平均変動率は、都心5区10.7%、その他区9.1%で、ともに令和5年と比較して上昇幅が拡大した。
多摩地区
- 多摩地区全域の平均変動率は4.4%となった。26市1町で平均変動率がプラスとなり、奥多摩町1町が0.0%となった。
- 平均変動率が最も高かったのは立川市の7.8%(前年4.1%)で、府中市及び国分寺市の7.3%がこれに続いている。
(4)工業地の動向
- 平均変動率は地点の置かれた全区市町で上昇となった。
- 区部全域の平均変動率は7.5%となり、令和5年の3.6%から上昇幅が拡大した。
- 多摩地区全域の平均変動率は7.2%となり、令和5年の6.6%から上昇幅が拡大した。
(5)地価の半年単位の動向
- 地価公示の標準地と同一地点である基準地(以下「共通地点」という。)のうち、前半期(令和5年7月1日~令和6年1月1日)・後半期(令和6年1月1日~同年7月1日)で比較可能な住宅地及び商業地211地点の変動率をみた場合、全地点において年間変動率で地価が上昇しており、このうち128地点は前半期の変動率より後半期の変動率が高かった。
- なお、住宅地及び商業地の共通地点を区部・多摩地区に分け、前半期・後半期・年間の平均変動率を令和5年と令和6年で比較すると、右表のとおりである。
地価公示の標準地と同一地点である基準地の動向
(単位:%)
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2 地価動向の背景
(1)経済の動向(全国)
令和5年8月から令和6年7月までの「月例経済報告」基調判断をみると、令和5年8月から同年10月までは「緩やかに回復している」、同年11月から令和6年1月までは「このところ一部に足踏みも見られるが、緩やかに回復している。」、同年2月から7月までは「このところ足踏みも見られるが、緩やかに回復している。」との見解で、足踏み傾向はあるものの景気は緩やかに回復しているとの判断が示されている。(出典:内閣府「月例経済報告」)
(2)住宅市場の動向(東京都)
- 令和5年度の東京都における新設住宅着工戸数は124,810戸で、前年度比-10,572戸(-7.8%)となっている。主な内訳をみると、持家が-9.4%、貸家は-3.0%、分譲住宅は-14.2%(うちマンションは-24.2%、一戸建ては+3.7%)となっている。地域別でみると、都心3区(千代田区、中央区、港区)は-32.0%、区部全体は-9.2%、市部は-3.0%となっている。(出典:東京都住宅政策本部「住宅着工統計」)
- 平成22年を100とした令和6年4月の東京都の不動産価格指数(住宅・季節調整値)は、住宅総合166.0(前年同月比+11.6)、住宅地138.6(同+12.2)、戸建住宅129.8(同+1.1)、マンション200.6(同+12.5)となっている。(出典:国土交通省「不動産価格指数(住宅)」)
- 令和5年7月から令和6年6月までの東京都における中古マンションの新規登録件数は108,611件で、前年同期比-1,914件(-1.7%)となっている。同期間の中古マンションの成約件数は20,332件で、前年同期比+1,476件(+7.8%)となっている。(出典:公益財団法人東日本不動産流通機構「Market Watch」)
(3)オフィス市場の動向(東京都・都心5区)
令和5年7月から令和6年6月までの都心5区のオフィスビル(基準階面積100坪以上)空室率は、5から6%台で推移している。令和6年6月の空室率は5.2%で、令和6年1月から6か月連続で5%台となった。(出典:三鬼商事株式会社「オフィスマーケットデータ」)
(4)不動産投資市場の動向
令和6年6月末のJ-REITの資産規模(運用資産額)は、23兆1,619億円で、前年同月比+8,479億円(+3.8%)となっている。(出典:一般社団法人不動産証券化協会「ARES マンスリーレポート」)
(5)人口の動向(東京都)
令和6年1月1日現在の東京都の総人口は1,391万1,902人で、令和5年1月1日と比較して+70,237人となっている。地区別の増減率は、区部+0.77%、多摩地区市部-0.07%、多摩地区町村部-0.73%、島部-1.56%となっている。
令和6年1月1日現在の生産年齢人口(15~64歳)は922万7,915人で、令和5年1月1日と比較して+85,472人となっている。うち日本人は+26,095人となっている。地区別の増減率は、区部+1.31%、多摩地区市部+0.05%、多摩地区町村部-0.41%、島部-1.46%となっている。令和6年1月1日現在の人口総計に占める生産年齢人口の割合は、東京都全体では66.33%、地区別では、区部67.95%、多摩地区市部62.84%、多摩地区町村部54.83%、島部52.91%で、令和5年1月1日の割合と比較していずれの地区も上昇している。(出典:東京都総務局「住民基本台帳による東京都の世帯と人口」)
発表した基準地価格はインターネットでご覧いただけます。
問い合わせ先 財務局財産運用部管理課 電話 03-5388-2736 |
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