半テレワーク×半出社でつくる柔軟な働き方のススメ(厚生労働省・総務省)

厚生労働省・総務省が運営する「テレワーク総合ポータルサイト」では、半テレワーク×半出社でつくる柔軟な働き方のススメと題して、下記内容を発表しました。

テレワーク相談センター相談員の橘です。テレワークの定着が進む中、多くの企業は「完全リモート勤務」か「完全出社」を1日単位で選ぶ二者択一の制度を設けています。しかし実際には、1日の中に「周囲を気にせず集中したい業務」と「出社しなければ進められない業務」が混在するケースも少なくありません。

そこで注目したいのが、1日の中でテレワークと出社を組み合わせる「半テレワーク×半出社」という働き方です。

例えば、午前中は自宅でテレワークをこなし、昼休憩の時間を使って職場へ移動、午後から出社するという働き方を選べるようになれば、従業員の生活の質と仕事の質の両方を高めることができます。

本コラムでは、「半テレワーク×半出社」という働き方がもたらすメリットと、導入にあたって押さえておきたい制度整備のポイントを解説します。

「半テレワーク×半出社」がもたらすメリット

1. 通勤ラッシュのストレスを回避できる

通勤ラッシュのピークは多くの都市で午前7時~9時台に集中します。この時間帯をテレワークにあてることで、満員電車のストレスや体力的な消耗を避けることができます。オフピーク時間帯は移動もスムーズなため、出社後に高いパフォーマンスを発揮しやすくなります。

2. 家庭と仕事の両立を支える

子育て世代の社員にとって、朝、子どもを見送ってから仕事を始められることは、大きな安心感につながります。育児や介護を担う従業員にとって、無理なく働き続けられる環境は、企業にとっても優秀な人材の離職防止や採用力の強化につながります。

3. 業務の「メリハリ」が生産性を高める

業務には、「一人で集中するとはかどるタスク」と「対面で同僚と進めるタスク」があります。この両方を1日のスケジュールに組み込むことで仕事にメリハリができ、1日のタスクを効率的に進めることができます。

具体的には、テレワーク中は、メールの返信・資料作成・分析業務など「個人の作業」に集中し、出社後はチームミーティング・対面での商談・紙書類の処理など、「人やモノと関わる業務」にあてるといった使い分けが効果的です。業務の性質に合わせて働く場所を切り替えることで、1日の仕事全体の質を底上げできます。

導入のためのテレワーク制度整備のポイント

「半テレワーク×半出社」を実現するためには、既存の制度の見直しが必要になります。

1. 対象者の選定

業務の内容や個人の事情によっては、すべての従業員がこの働き方に対応できるわけではありません。対象範囲・利用頻度・申請方法・承認フローなどを明確にルール化し、テレワーク規程等に規定することが重要です。

2. 自宅から会社までの移動時間の取り扱い

テレワーク後の自宅から会社への移動時間について、労働者による自由利用が保障されている限り、「休憩時間」として取り扱うことができます。ただし、上司の指示を受けてモバイル勤務等に従事した場合は、その時間は労働時間に該当します。移動時間を休憩時間とする場合は、その間に業務指示を行わないよう注意が必要です。

また、移動を労働基準法で定める休憩時間内に収める運用は、始業・終業時間を変えずに管理できる反面、移動時間の制約により「遠方からの通勤者が利用できない」「休息や食事が疎かになりやすい」といったデメリットがあります。

この解決策として、移動時間を「中抜け時間」とし、労働基準法で定める休憩時間とは別に取り扱う方法が考えられます。具体的には、移動時間に応じて始業・終業時刻を繰り上げ・繰り下げられる「時差出勤制度」を導入する、移動時間を「時間単位の年次有給休暇」として扱う(要・労使協定)、あるいは移動時間も労働時間として扱う、などの方法があります。

これらの取り扱いについては、後々のトラブルを防ぐためにもテレワーク規程等に明記することが重要です。

業務への影響と従業員の負担を考慮したうえで、自社の現状に合った制度を整えましょう。

テレワークに関しまして、何かご不明な点等ありましたら、どうぞテレワーク相談センターまで問い合わせください。
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執筆者
テレワーク相談センター 相談員 橘 彩織
(特定社会保険労務士)

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