国税庁は、令和2年度査察の概要について、下記内容を発表しました。
査察制度は、悪質な脱税者に対して刑事責任を追及し、その一罰百戒の効果を通じて、適正・公平な課税の実現と申告納税制度の維持に資することを目的としています。
国税査察官は、近年における経済取引の広域化、国際化及びICT化等による脱税の手段・方法の複雑・巧妙化など、経済社会情勢の変化に的確に対応し、悪質な脱税者に
対して厳正な調査を実施しています。
1 査察調査の概要
【令和2年度の取組】
○ 検察庁に告発した件数は 83 件、脱税総額(告発分)は 69 億円悪質な脱税者に対して厳正な査察調査を実施し、83 件を検察庁に告発、告発した査察事案に係る脱税総額は 69 億円でした。1件当たりの脱税額は総額分(80 百万円)、告発分(83 百万円)とも前年度より増加したほか、告発率(73.5%)は平成 20 年度以来の高水準となりました。
○ 消費税の輸出免税制度を悪用した消費税不正受還付・国際事案のほか、その他の時流に即した社会的波及効果の高い事案を積極的に告発消費税事案及び国際事案では、金地金や中古自転車の輸出販売を偽装し、消費税の輸出免税制度を悪用した消費税不正受還付事案などを積極的に告発しました。
海外法人に対する架空原価を計上するなど、海外取引に絡む国際事案は、過去5年間で最も多い 27 件を告発しました。
その他、いわゆる貧困ビジネスや訪日外国人旅行者に人気のリゾート地における不動産事案など、時流に即した社会的波及効果の高い事案を告発しました。
【令和2年度中の主な判決】
○ 全国初の告発となった暗号資産事案について有罪判決が出されたほか、法人税法違反幇助の再犯者に実刑判決暗号資産取引により得た利益を申告から除外し、所得税を免れていたとして全国初の告発となった暗号資産事案に有罪判決が出されました。
また、法人2社の脱税を助け容易にした協力者に対して、法人税法違反の幇助犯(査察事件単独・再犯者)として全国初の実刑判決が出されました。
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