厚生労働省は、労災補償業務の運営に当たって留意すべき事項について下記通達を発表しました。
労災補償行政を巡る状況への対応
新たな感染症である新型コロナウイルス感染症に係る労災請求件数は 4,000 件以上に上り、今後も相当数の労災請求が想定されることから、引き続き、迅速かつ公正に
対応するとともに、労働者から積極的に労災請求がなされるよう、事業場等に対する請求勧奨に係る要請について徹底していくことが肝要である。
また、過労死等や石綿関連疾患など職業性疾病を巡る国民の関心は高く、過労死等に係る労災請求件数は 2,900 件以上に上るほか、石綿関連疾患に係る労災請求件数も
1,200 件以上に上るなど、多くの複雑困難事案の処理を求められている状況にあり、これらの労災請求事案に引き続き適切に対応していく必要がある。
さらに、毎月勤労統計に係る追加給付事案や令和2年9月に施行された改正労災保険法に基づく複数事業労働者への保険給付について適切に対応していく必要がある。
一方、現下の定員事情や行政経費に係る予算事情など、労災補償行政を取り巻く環境は厳しさを増しているところである。
このような状況の中で、労災補償行政に対する国民の期待に応え、労災請求事案に適切に対応するためには、厚生労働本省、都道府県労働局(以下「局」という。)及
び労働基準監督署(以下「署」という。)が、より一層連携して効率的な業務運営に取り組み、また、的確な事務処理の実施に必要な体制確保と人材育成を行うことが重
要となっている。
このため、令和3年度においては、特に次の事項に留意し、労災補償行政を推進することとする。
① 新型コロナウイルス感染症への迅速・的確な対応
② 過労死等事案などの的確な労災認定
③ 迅速かつ公正な保険給付を行うための事務処理等の徹底
④ 業務実施体制の確保及び人材育成
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