テレワーク下でもコミュニケーションを促進するための工夫を教えてください(経済産業省・中小企業庁)

経済産業省・中小企業庁は、テレワーク下でもコミュニケーションを促進するための工夫を教えてくださいと題して、下記内容を発表しました。

コロナ禍でテレワークを導入したのですが、従前と比べてコミュニケーションの機会が減り、関係性が希薄になったように思います。報告・連絡・相談の回数も減っており、このままでは業務にも支障が出そうです。テレワーク下でのコミュニケーションを促進する方法は何かありますか。

回答

テレワーク下でのコミュニケーションにおいては、「ツールを有効活用してコミュニケーションのハードルを下げる」「定例のWebミーティングを設ける」「リアルな空間で集まるタイミングを作る」の3つに留意することが大切です。

テレワークに取り組む企業にとって、コミュニケーション不足は大きな悩みのひとつです。気軽な声がけが可能だったオフィスと比較すると、コミュニケーションの手間が増えてしまい、その回数が減ってしまうこともあるでしょう。テレワーク下でも必要十分なコミュニケーションをとるためには、以下の3つのポイントをおさえることが重要です。

【ツールを有効活用してコミュニケーションのハードルを下げる】

ただ声をかければよかったオフィスでのコミュニケーションと異なり、テレワーク下では「わざわざ連絡をとらなければならない」というハードルがあります。作業の手間に加えて、相手が何をしているか見えないからこその心理的なハードルも大きいです。

このコミュニケーションのハードルを下げるためには、ツールの活用が効果的です。例えば、チャットツールを導入することで、メールよりも気軽に、迅速に連絡をとることができます。文字だけではちょっと伝えづらい場合にはWeb会議システムを使うのもよいでしょう。

また、スケジュール管理システムを導入することも有効です。各人がシステムに予定を登録することで、相手の都合のよいタイミングを見計らって連絡することができるので、「相談したいけど忙しかったら申し訳ないな…」という懸念を解消することができます。さらに、「連絡可能」「取り込み中」など、個人のステータスを示してくれるシステム(例:Microsoft Teams)もありますので、あわせて活用することでより一層コミュニケーションのハードルを下げることができるでしょう。

【定例のWebミーティングを設ける】

ツールを有効活用しても、「わざわざ連絡をとらなければならない」という心理的なハードルはどうしても残ります。時間をかけて培った関係性があれば別ですが、入社後間もない場合などは「これを聞くためだけに連絡するのは気が引けるな…」と考えてしまい、抱え込んでしまうケースも少なくありません。

そこで、部やチームなどの単位で定例のWebミーティングを設けてみましょう。定期的に話す機会を作ることで、「わざわざ相談の時間をとってもらうことではないけど、定例会があるからそこで聞いてみよう」と行動に移しやすくなり、一人で問題を抱え込んでしまうことも避けられます。

ビフォーコロナでは、定例会は必ずしも好まれないケースがありました。いつの間にか会を開くこと自体が目的となり、時間を浪費してしまうケースが散見されたからです。しかしながら、コミュニケーションがとりづらいテレワーク下では、半強制的に連携をとれる場としてむしろ重宝されるはずです。ぜひ有効活用しましょう。

【リアルな空間で集まるタイミングを作る】

コロナ禍ではなかなか難しいですが、リアルな空間で集まることは、コミュニケーションを促進するうえでやはり有効です。ポストコロナにおいてはテレワークを継続する企業も増えると思いますが、それでも週に何度かは出社するケースが多いと思います。例えば、チームの定例会がある日は可能な範囲で出社するなど、お互いがオフィスで顔を合わせる機会を作ることで、コミュニケーションが活性化されるでしょう。

社員間の円滑なコミュニケーションの実現は、企業の競争力向上に寄与します。テレワーク下でもコミュニケーションを促進させられるよう、上記の3つのポイントに留意しながら、自社に合った工夫を積み重ねていくことをおすすめします。

回答者
中小企業診断士
松本 崇

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