厚生労働省は1日、平成28年「賃金引上げ等の実態に関する調査」の結果を取りまとめ、公表しました。
今日と明日に分け概要をご案内します。
この調査は、全国の民間企業における賃金の改定額、改定率、改定方法などを明らかにすることを目的に、毎年8月(平成20年以前は9月)に調査を行っているもので、今回の調査結果は、常用労働者100人以上を雇用する企業1,709社について集計したものです。
【調査のポイント】
1 賃金の改定の実施状況 全企業について、平成28年中における賃金の改定の実施状況(9~12月予定を含む。)をみると、 「1人平均賃金を引き上げた・引き上げる」は86.7%(前年85.4%)、「1人平均賃金を引き下 げた・引き下げる」は0.8%(同1.2%)、「賃金の改定を実施しない」は7.1%(同8.4%)となっ ている。「1人平均賃金を引き上げた・引き上げる」は前年より上昇し、「1人平均賃金を引き 下げた・引き下げる」及び「賃金の改定を実施しない」は前年より低下している。
2 賃金の改定額及び改定率 平成28年中に賃金の改定を実施し又は予定していて額も決定している企業及び賃金の改定を実施 しない企業について、賃金の改定状況(9~12月予定を含む。)をみると、「1人平均賃金の改定 額」は5,176円(前年5,282円)、「1人平均賃金の改定率」は1.9%(同1.9%)となっている。 同改定状況について企業規模別にみると、「1人平均賃金の改定額」は、5,000人以上の企業で 5,683円(同7,248円)、1,000~4,999人で5,434円(同5,999円)、300~999人で5,319円(同4,633 円)、100~299人で4,482円(同3,947円)となっている。「1人平均賃金の改定率」は、5,000人 以上の企業で1.9%(同2.2%)、 1,000~4,999人で1.8%(同2.0%)、 300~999人で2.0%(同1.8%) 100~299人で1.8%(同1.6%)となっている。
3 定期昇給制度、ベースアップ等の実施状況
(1) 定期昇給制度の有無及び実施状況 平成28年中に賃金の改定を実施し又は予定している企業及び賃金の改定を実施しない企業につ いて、管理職の定期昇給(以下「定昇」という。)制度の有無をみると、「定昇制度あり」が73.9% (前年76.3%)、「定昇制度なし」が24.1%(同22.7%)となっている。「定昇制度あり」の定 昇の実施状況をみると、「行った・行う」が68.1%(同69.9%)、「行わなかった・行わない」 が5.0%(同6.1%)となっている。 一方、一般職では、「定昇制度あり」が82.2%(同83.1%)、「定昇制度なし」が16.1%(同 16.5%)となっている。「定昇制度あり」の定昇の実施状況をみると、「行った・行う」が78.4% (同77.6%)、「行わなかった・行わない」が3.3%(同5.5%)となっている。 企業規模別にみると、「定昇制度あり」の割合が最も高いのは、管理職は300~999人規模、一 般職は1,000~4,999人規模で、「行わなかった・行わない」の割合が最も高いのは、管理職、一 般職ともに100~299人規模となっている。