【新型コロナ対策】国税庁の路線価の減額修正を検討の影響について

【新型コロナ対策】国税庁の路線価の減額修正を検討の影響について

1.報道の概要

本日の日経新聞で、新型コロナウイルスによる経済活動低迷などの影響で大幅に地価が下落した場合、相続税や贈与税の算定に使う「路線価」(1月1日時点の1㎡当たりの価格)を減額修正できる措置を国税庁が検討している記事が掲載されました。

ご案内の通り、相続税法では、相続財産は被相続人の死亡した時点の地価で評価すると定めており、国税庁が毎年7月1日に発表する路線価に基づいて評価することが認められています。

現行制度でも、地価が路線価を下回った場合には、納税者が個別に不動産鑑定士に依頼し、評価額を算定の上、相続税の申告することもできますが、鑑定には費用がかかるため、費用対効果が無い限り実施されていないのが現状です。

今般、国税庁は都道府県が不動産鑑定士の評価を基にまとめる基準地価(7月1日時点、毎年9月頃発表<昨年は2019年9月19日発表>)が新型コロナウイルの影響で、広範囲で大幅に下落した場合、その地域の路線価を減額修正できる措置を検討しています。

2020年の路線価(2020年1月1日時点)は、7月1日に国税庁から発表されますが、新型コロナウイルスの影響が織り込まれた価格とは言えないため、新型コロナウイルスの影響がある程度織り込まれた7月1日時点の基準地価を参考にしたいというのはもっともな判断です。

地価がどの程度下がった場合に減額修正の措置を導入するのか、対象地域をどのように決めるのか等詳細は今後詰めるとのことであり、今後の国税庁の対応に目が離せない状況です。

(追記 2020年7月16日)
①国税庁は、地価が概ね20%以上下落した場合に路線価を減額修正できる措置を検討。
②10月以降に今年1月~6月までの地価動向を踏まえた補正率を公表予定。
③1月に相続があった場合には、申告期限に間に合わないため申告期限の延長も検討。
④7月~12月までの補正率は令和3年以降に公表予定。
(出典:T&Amaster)

2.地価動向

(1)2019年路線価の動向

2019年の路線価は、訪日旅行客や再開発の影響もあり、全国平均で千年比1.3%上昇で4年連続の上昇となったほか、東京圏、大阪圏で6年連続上昇、愛知県では7年連続の上昇でした。(特に首都圏である東京4.9%、千葉県1.0%、神奈川県0.9%、埼玉県1.0%の上昇)

「旭化成ホームズ株式会社調べ」

(2)2020年公示価格の動向

国土交通省が3月18日発表した2020年1月1日時点の公示地価は、商業・工業・住宅の全用途平均(全国)が1・4%のプラスと5年連続で上昇しました。札幌など中核4市を除く地方圏も0・1%上昇と28年ぶりにプラスに転換しました。
ただ、訪日客の増加や都市の再開発がけん引する構図で、新型コロナウイルスの経済への打撃が長引けば影響は避けられないと新聞各紙は報道していました。
また、2020年の公示地価は19年に日本列島を襲った大型台風による浸水被害のあった長野市の豊野地区(住宅地)の地点の下落率は13・6%と全国最大になったほか、福島県いわき市では上昇基調だった地価を今回の被害が直撃。市役所に近い地点では横ばいまで回復してきた地価が3・1%減となり、浸水があった商業地の地点では19年の1・9%上昇から4・6%減へとマイナスに転じたほか、宮城県丸森町でも1%未満まで下落幅が縮小していた住宅地の2地点が3~5%のマイナスに落ち込んだケースもありました。

3.まとめ~相続税申告への影響

1.国税庁の判断に注目

本日の報道を受け、新型コロナウイルスの影響を国税庁がとのような判断を下すのか注目です。
特にこれまでの水害等の災害による地価の下落と比較して、地価上昇を牽引してきた訪日外国人の来日は期待できない他、新型コロナウイルスの自粛モードの中で、商業施設や再開発地域への人出も見込みにくい状況下で、地価にどのように反映するかは、大変難しい判断だからです。

2.相続税の申告の際の留意事項

本年相続が発生し、7月1日発表予定の路線価で相続財産の評価を行う場合には、下記の点に注意しなければなりません。
①国税庁の対応が分かってから相続税の申告書を提出する場合
本年発生した相続について、相続税の申告をする場合には、基準地価が発表される9月下旬以降に発表された後の国税庁の対応を確認する必要があります。従って、申告期限前に対応が発表される場合には、暫く様子を見た方が良いでしょう。
②国税庁の対応が分からない状態で相続税の申告書を提出してしまった場合
相続税の申告書は、原則、相続開始の日の翌日から10ヶ月以内に提出しなければなりません。
提出後に路線価の減額がわかった場合には、更正の請求を行う必要があります。

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