全国健康保険協会は、「いきなり大病院は特別料金がかかる」というコラムを発表しました。
診療所と大病院は医療の役割が異なる
「大病院のほうが何となく安心だから」「念のため専門医に診てもらいたいから」などの理由で、紹介状がないまま、いきなり大病院を受診したことはありませんか? 医療機関には、診療所をはじめ、中小病院、大学病院などの大病院まで、さまざまな規模や設備の医療機関がありますが、それぞれの役割があります。
- 診療所は、日常的な病気やけがなどに幅広く対応する
- 中小病院は、手術や入院を必要とする患者や、救急医療に対応する
- 大病院は、高度な医療を必要とする患者や、重篤な患者の救急医療に対応する
といったように、医療機能に応じた役割分担を行い、連携して地域の医療を支えています。
いきなり大病院を受診すると5,000円以上の自己負担がかかる
しかし実際には、診療所で受診せずに、初診から大病院を受診するケースが多く、大病院の外来患者の約4割を占めているといわれています。
大病院に軽症の患者が集中することにより、診療までの待ち時間が長くなったり、診療時間が短くなり医師から丁寧な説明を受けにくくなる場合があります。また、医療スタッフの負担が過重になり、重篤な患者や救急医療への対応など、大病院が本来担うべき役割にも支障が生じてしまいます。
医療機能に応じた役割分担を進めるために、診療所等からの「紹介状」がないまま、大病院を受診した場合、診察料のほかに5,000円以上の「特別料金」を上乗せするしくみが導入されています(緊急時を除く)。また、200床以上の病院を紹介状なしで受診した場合は、各病院が金額を独自に設定した「特別料金」がかかる場合があります。
特別料金は、健康保険が適用されないため、全額自己負担になります。そのため、緊急時を除いて、紹介状なしで大病院を受診するのは“医療費のソン”といえます。
紹介状なしで病院にかかったときの自己負担額
*1 | 診療所は入院ベッド数が20床未満の医療機関。 |
*2 | 初診料機能強化加算として800円が加算される場合があります(健康保険適用)。 |
かかりつけ医から大病院を紹介してもらうのがおトク
“医療費のソン”をしないためにも、適切な医療を受けるためにも、「かかりつけ医」として、身近で信頼できる診療所や200床未満の中小病院を見つけておくことが大切です。
「かかりつけ医」は、継続的に受診することで、一人ひとりの病歴や体質などを踏まえた診療を受けられるメリットがあり、日ごろの診療から体調の変化に気づいてもらいやすくなります。
また、かかりつけ医は地域の医療機関と連携しており、詳しい検査や高度な医療が必要なときには、適切な大病院や専門医を紹介してくれます。かかりつけ医の紹介状を持って、大病院を受診する場合は、特別料金はかかりません。かかりつけ医の紹介状には、既往歴や病状、検査結果などが記載されており、大病院や専門医での重複した検査を防げる等スムーズに受診ができます。
かかりつけ医に紹介状を作成してもらうときに、「診療情報提供料」として2,500円がかかりますが、健康保険が適用されるので3割負担であれば、自己負担額は750円になります。 いきなり大病院にかかるよりも、「かかりつけ医→大病院」の流れでかかる方が“おトク”といえます。
※かかりつけ医については、5月の「知っトク!医療保険情報」をご覧ください。
かかりつけ医から、適切な専門医や大病院を紹介してもらいましょう! |
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