経済産業省は、「相殺関税措置の活用に向けた提言」 を取りまとめましたとして、下記内容を発表しました。
1.背景・趣旨
補助金相殺関税(Countervailing Duty, CVD)措置は、他国政府の補助金を受けた輸入品が国内産業に損害を与えている場合、当該輸入品に対して補助金相当額を相殺する関税を課すことができるWTO協定上認められた措置です。昨今、グローバルサプライチェーンの進展に伴い貿易構造が複雑化する中で、大規模な産業補助金など市場歪曲的な措置への対抗策として、CVD措置の発動件数が世界的に増加しています。
日本におけるCVD措置の活用の可能性について検討していくため、経済産業省では、本年2月から有識者へのヒアリングを実施し、CVD措置の活用に向けた課題を整理してきました。ヒアリングの結果を踏まえ、産業構造審議会 通商・貿易分科会 特殊貿易措置小委員会において、日本におけるCVD措置の活用に向けた課題と対応の方向性について議論し、提言として取りまとめました。
(参考)産業構造審議会 通商・貿易分科会 特殊貿易措置小委員会
2.提言の内容
提言では、国内産業がCVD措置の申請をするために必要な他国の補助金の情報の入手が困難であるといった課題について、各国の貿易救済調査当局間で補助金に関する情報等を共有する仕組みを構築し、収集した情報を経済産業省から産業界に積極的に情報提供するとともに、個別案件の事前の相談についても相談の初期の段階からきめ細かく対応していくことが重要といった指摘がなされました。また、CVD措置に対する日本企業の認知度不足を解消するため、CVD措置の周知に向けた企業への広報活動の必要性が指摘されました。
3.今後の予定
提言を踏まえ、経済産業省では、今秋にも主要国の調査当局との会合を開催し、各国の調査実務や補助金に関する情報等について情報共有を図るとともに、CVD措置の申請を検討する日本企業の個別相談にきめ細かく対応するための相談受付体制を整備していきます。
また、CVD措置の活用に向けた情報発信を強化すべく、まずは9月2日にオンラインで「令和3年度貿易救済セミナー」を開催します。
関連資料
- (資料1)提言の概要(PDF形式:1,386KB)
- (資料2)新たな貿易問題に対応するための相殺関税措置の活用に向けた課題と対応の方向性(産業構造審議会 通商・貿易分科会 特殊貿易措置小委員会 提言)(PDF形式:2,735KB)
担当
貿易経済協力局貿易管理部特殊関税等調査室長 三輪田
担当者:辻、河西
電話:03-3501-1511(内線 3256~3258)
03-3501-3462(直通)
03-3501-0992(FAX)
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