東京都は、東京都消費者被害救済委員会付託「高齢者等終身サポート契約に係る紛争」の解決を付託しましたとして、下記内容を発表しました。
都内の消費生活センターには、高齢者等を対象とした高齢者等終身サポート【注】契約をめぐるトラブルに関する相談が多く寄せられています。
本日、知事は、東京都消費者被害救済委員会(会長 宮下修一・中央大学大学院法務研究科教授)に、新たに標記紛争の解決を付託しましたので、お知らせします。
【注】高齢者等終身サポート:高齢者等を対象とした、医療機関への入退院等に伴う身元保証、葬儀などの死亡に伴う事務を取り扱う死後事務、日常生活支援等のサービス(参照:令和6年6月 高齢者等終身サポート事業者ガイドライン 内閣官房 外)
付託案件の概要
申立人
50歳代 無職 女性
契約内容
- 1)身元保証等サービス契約
- 2)死後事務委任契約
(1)2)の契約金額合計 約190万円)
申立人の主張による紛争の概要
病気療養中の夫が、自身の死後に残される私を案じ、身元保証契約を締結しようと考えた。広告で知った事業者の説明会に二人で参加して、その場で私名義の契約を締結し、翌週に契約金全額を一括で振り込んだ。
契約には、30日間のクーリング・オフ期間があったが、この期間が過ぎたあと、担当者から遺言書を作成するよう言われた。もともと遺言書を作成するつもりはなかったが、「提出がないと、明日、万が一のことがあっても何もサポートできない」と促され、やむなく遺言書を作成して提出した。このときに初めて、遺言執行者を事業者にする必要があることや、遺言執行者に高額な報酬を支払う必要があることを聞かされて不信感が芽生え、解約を考え始めた。
消費生活センターに相談し、事業者に解約を申し出たところ、契約後1年以内の場合は、葬儀、納骨、遺品整理などの費用相当分は返金するが、その他の部分は契約金額の半額しか返金しないとの返答だった。
何もサービスを受けていないのに、契約金額の半額しか返金しないという返答には納得できない。
消費者被害に関する注意喚起
- 高齢者等終身サポート契約は、一般的に長期にわたり、様々なサービスが契約に含まれ、契約金額も高額になりがちです。また、希望するサービス内容によっては、追加料金が必要な場合もあります。自分に必要なサービスはどのようなものかをよく考え、希望に沿った契約内容であるのか、契約金額は納得のいくものであるのかなど、契約前に内容を十分に確認しましょう。
- 解約に際してトラブルになる事例が多く発生しています。契約前に、解約や返金に関する条件についても、よく確認しておきましょう。
- 高額な請求に困ったり、トラブルになった場合は、すぐに消費生活センターにご相談ください。(消費者ホットライン「188」局番なし)
付託理由
都内の消費生活センターには、高齢者等終身サポート契約に関する相談が多く寄せられており、特に2023年度は前年度比約1.7倍と急増し、2024年度は149件、2025年度は10月末時点で67件の相談が寄せられています(2025年度は速報値)。
年齢別では、2021年度以降のいずれの年度においても、高齢者(60歳以上)が7割~8割を占めています。
また、平均契約金額は、いずれの年度も100万円を超え高額であり、2024年度は225万円に達しています。
このように、高齢者等終身サポート契約は、高齢者が当事者となりやすく、契約金額が高額になる傾向が見られます。
また、長期にわたる契約となるため、サービス履行時期に至るまでに解約を考えるケースが見られ、解約をめぐってトラブルになることがあります。
本件を解決することにより、解決に当たっての考え方を広く示し、同種の消費者被害の防止と救済を図るため、本件を付託しました。
主な問題点
本件各契約の契約書では、解約に伴う精算に関して、契約締結後1年以内については、契約金の5割、以降は1年ごとに一定の割合で逓減し、5年経過後は契約金の返還はない旨の条項が定められている。本件事業者は、当該条項に沿って、葬儀、納骨、遺品整理など一部のサービスに係る部分は全額を返金し、契約金の残りの部分については、半額を返金するとの考えを示している。
しかしながら、申立人が本件各契約の解除を申し出た時点において、ほとんどのサービスが提供されていない状態であることを踏まえると、当該条項は、消費者契約法第9条第1項第1号(消費者が支払う損害賠償の額を予定する条項等の無効等)に該当し、「平均的な損害の額を超える部分」は、無効ではないか。
東京都消費者被害救済委員会における今後の処理
東京都消費者被害救済委員会とは
東京都消費生活条例に基づき設置された知事の附属機関で、弁護士や大学教授などの学識経験者、消費者団体の代表及び事業者団体の代表で構成されています。
都内の消費生活センター等の相談機関に寄せられた消費生活相談のうち、都民の消費生活に著しく影響を及ぼし、又は及ぼすおそれのある紛争について、公正かつ速やかな解決を図るため、あっせん、調停等を行います。
委員会に付託すると
委員数名による部会を構成し同部会で審議を行います。両当事者から話を聴き、公正な解決策を検討し、両当事者にあっせん案として提示します。両当事者が受諾すれば解決となります。あっせん案の考え方は当該紛争だけでなく、他の類似紛争の解決にも役立つことから、東京都消費生活条例に基づき、広く都民の方々や関係者にお知らせしています。
委員
別紙(PDF:91KB)のとおり
紛争処理実績
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